９話 ページ9
机の上に薬草を置き、小瓶や小鉢も棚から出してくる。
薬草を煎じながら彼の方をチラと確認するが、机より少し離れたところに椅子を持っていき座ってこちらの様子をずっと静かに窺っていた。
専門の人間ではなさそうだが、楽しいのだろうか…。なんて思いながら手元に集中する。
数時間。
彼の動向を気にしながら作業をし続けたが、本当に監視が目的なのか一切動く気配はなかった。
その方がこちらとしても集中できるため苦ではなかった。
暗くなった外を見ながら、作業を中止する。
「もう終わりっすか」
手を止めた私に声をかけてくる彼は最初に見た体制から一切変わっておらず不思議に思いながらショッピ君の方に体を向けた。
「えぇそうね、夜も遅いしご飯にしましょう。
貴方は久しぶりに起きたのだからシャワーでも浴びて身体を綺麗にするといいわ」
「…あんた、自分が監視対象だってこと忘れてるんですかね？」
「忘れてはないけど、そのままお仲間に会うつもり？
それに別に変なことはしないわよ。
まぁ、貴方が落ち着くなら縛っていけばいいじゃない」
警戒している者を野放しにするほど彼には余裕がないのか、馬鹿にするような目でこちらを見てきたが別に彼から逃れたいわけではない。
ショッピさんに棚の中から縄を出してきて渡す。
本来は要らなくなった本をまとめたり、薬草をまとめる用の縄。
何故あるのか分からないのか苦い顔をするか、躊躇なく椅子に縛り付けるに相当警戒していたのだろう。
「階段の右奥の扉を入れば洗面所よ。
服は同じのを着てもらうことになるけど、好きに使ってくれて構わないわ。」
「そうですか」
一言だけ残し彼は洗面所の方へ歩いて行った。
暇だな。なんて思いながらぼーっと窓の外を見る。
ガチガチに縛られた以上ご飯も作れないし、彼の傷に塗る薬すらも取ってこれない。
効率は悪いが今は彼のためと思って大人しくしておこう。
数十分もしない間に彼は帰って来た。
「…逃げなかったんですね」
「逃げても私に得はないでしょう？
それとも私に逃げててほしかったのかしら？」
「…そうっすね。いっその事逃げ出してほしかったですよ。
あんただって逃げ出したほうが厄介事に巻き込まれなくて良いと思いますよ」
彼はそう言いながらも椅子に縛ってある縄をほどいてくれる。
「そうね、確かに逃げた方が厄介事からは逃げれるけど、貴方のお仲間が黙ってないと思うんだけど？
それに、貴方を無事に返すのも私の役目なのよ」
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アホです - やば好きです (4月28日 20時) (
レス) @page25 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すきいあああ (4月28日 20時) (レス) @page25 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ - おもしろいです! 私の推し、まんちゃんがいて、もうサイコーです!!!!www (2021年6月26日 11時) (レス) id: bf9a84df86 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - コメント失礼します！とても面白いです！続きが気になります！ (2021年6月4日 0時) (レス) id: 406b79fb24 (このIDを非表示/違反報告)
ぽko(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。 そう言っていただけてうれしいです！^^ 元は男主予定でタイトルを作っており、編集忘れで矛盾していました。ご指摘ありがとうございますm(__)m (2021年4月17日 23時) (レス) id: 19e8c743d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽko | 作成日時：2021年2月5日 12時
