記憶の中の私へ (ページ2)

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AM6:00 Sunday

比較的人通りの少ないアメリカニューヨーク州。
まだ薄暗い店内もシャッターを開けてしまえば……

『さいこ〜』

最高な天気が広がってしまうのである。

現在22歳。
かの有名な国立雄英高等学校ヒーロー科を卒業したのち、
アメリカに来てカフェの経営者となった。

もとはと言えば食に関するもので店の経営をしたかったのである。

ヒーロー科在籍中も仲間には恵まれたもののヒーローになりたかったわけでもなかったのでコソコソと経営学の勉強をしていた。

何となくでヒーロー科に入り、何となくでヒーローの勉強をし、何となくで卒業した。
アメリカに来てしまったからにはもう同じクラスであった彼らには会うことは無いだろう。

そんなことを考えながらも手はきちんと動かしており、15分程度で開店準備は終わってしまった。

今日は休日だからか少しばかり予約してくれた人が多い。

そして何よりも今日は一大イベントがあるのだ。
世界中で活躍した人のみ参加可能のパーティー。

約半分はヒーローであり、残りの半分は私のような経営者や発明者、スポーツ選手である。

ヒーローの中に知り合いはいるのだろうか。
かつての同級生はいるのだろうか。
絶対に会いたくないのである。もう私はヒーローでないのだから。