38 可愛らしい効果音と見合ってない ページ42
モニター室へ帰ってきたAちゃんは酷くむくれていた。
拗ねている、と誰もが見てわかるくらい不貞腐れた顔をしている。
「おい主杯！！おまっ、倒れてたけど大丈夫か？」
切島くんがAちゃんのことを案ずる。
彼女はそれに笑みを浮かべず、ただ悔しそうに口を開いた。
「あのロボットに拘束されるまで気づかなかった自分が不甲斐なくて仕方ない」
「……あー…お前、そういうやつか……」
「Aちゃん本当に女子高生なの？？」
発言がもはやプロの風格をまとっている。
オールマイトの方をちらりと見やると、彼は彼でAちゃんをどうしたら良いのか悩んでいた。
……プロヒーローも困らせるのか、君は…。
「主杯少女、その、本当に保健室に行かなくとも良いのかね？」
「平気です。むしろ行かせないでください」
「イカセナイデクダサイ！！？」
Aちゃんのトンデモ発言をカタコトで繰り返すオールマイト。
しかしそんなオールマイトに気遣うことなく、Aちゃんはスタスタとこっちへ歩み寄る。
「お、お疲れ様、Aちゃん」
「……ん」
「あれ？満足してないの？」
「するわけが無い！」
「うわ！？」
Aちゃんは僕の側に立つと、そのまま僕のほっぺたをつつき始めた。
あ、なんか攻撃法可愛い……いだっ！？え！？痛いんだけど！！
ツンツンと効果音は可愛らしいくせに、威力がそれに見合ってない。めっちゃ痛い。穴あくんじゃないのか。
「全然記憶は無いし！！
気づいたら倒れてるし！！
挙句の果てにはロボットごときに連れ去られようとしたんだぞ！？
悔しくないわけがないでしょ！？」
「あだだ！わ、分かった！！アイタッ！？分かったからAちゃん！！
ッだぁ！？今の本気出したでしょAちゃん！？」
さらにヒートアップするツンツン攻撃。
Aちゃんはそろそろほんとに自分の馬鹿力を理解するべきだと思う。
「……なんか…心配して損したって感じ」
「それな…。めっちゃくちゃ元気じゃん、あいつ……」
「ンンン…！教員としては保健室に行ってもらいたいが……！！」
「不死身ね。ケロッ」
倒れた時は本当にどうしたものかと思ったが、やはりAちゃんはAちゃんだった。
頬をつつかれながら、僕はAちゃんの後ろのモードレッドさんを見やる。
彼女はただ、静かにAちゃんを見つめていた。
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きゅうり - 物凄く好きです。もう更新はなさらないんですか？ (4月5日 15時) (
レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
シツ(プロフ) - 立てばイケメン喋れば残念戦う姿はバスターゴリラ(？)ガウェイン強いですよねー (2020年6月14日 19時) (レス) id: 0ba0375d27 (このIDを非表示/違反報告)
てひつる - りさこさん» コメントありがとうございます！第六特異点ほんとにキツかったです…。ありがとうフレンドのエウリュアレちゃん…。今後ともよろしくお願いします！ (2020年1月3日 18時) (レス) id: 59b0e3aa20 (このIDを非表示/違反報告)
てひつる - Yuki@萌え探求者さん» コメントありがとうございます！初見で面白いと思っていただけて本当に嬉しかったです…！更新は気まぐれになってしまいますが、気長にお待ちください！ (2020年1月3日 18時) (レス) id: 59b0e3aa20 (このIDを非表示/違反報告)
てひつる - とろけるチーズさん» コメントありがとうございます！お待たせしてしまって申し訳ないです…。ゆっくり自分のペースで更新していきたいと思うので、気長にお付き合いください！ (2020年1月3日 17時) (レス) id: 59b0e3aa20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てひつる | 作成日時：2018年3月11日 10時
