ep.2 ページ2
ドサッと向かい側の椅子に腰掛けるチャンギュン
「甘いもの食べなきゃ頭回らないの」
ﾁｬﾝｷﾞｭﾝ「ちょっと太った？」
「うるさーい」
冗談、とクスクス笑う彼。
チャンギュンが飲んでいるのはブラックのアイスコーヒー。
わたしはどうも苦手。
「今日仕事は？お休みなの？」
ﾁｬﾝｷﾞｭﾝ「ううん、今一個撮影終わってここ寄ったけど夕方もう一個ある」
「お疲れ様ですね」
彼はいわゆるテレビに映る仕事をしている。
アイドルとか芸能人にあまり詳しくなかったけど、彼と話すようになってネットで調べると
すごく人気者だということは分かった。
ﾁｬﾝｷﾞｭﾝ「Aは？原稿終わらないの？」
「うんー、あと少しなんだけど最後の部分どうしてもまとまらないんだよね。どうしよう」
雑誌の編集の仕事をしているわたしは休みの日でもこうしてパソコンと向き合わなければいけない日も時々ある
読みたい、と言って席を立ちわたしの横に腰を下ろしたチャンギュンはパソコンを少し自分のほうへずらして食い入るように画面に目線を滑らせている
うーん、気にしてないのは彼だけか
わたしが気にしすぎているだけなのか。
「ちゃ…チャンギュナ…」
ﾁｬﾝｷﾞｭﾝ「んー、待って今読んでる」
予想以上に近かった顔の距離に戸惑ってしまうのは仕方がない、のか？
甘いコーヒーを飲むふりをしてチラリと横を見ると、いつになく真剣な表情の彼の横顔
まあ、アイドルって言ってたしね
かっこいいよ、すごく。
チャンギュンはわたしの書いたものをいつも食い入るように、真剣に、時には楽しそうに読んでくれる
それが単純に嬉しくて、この仕事をしていて良かったと本当に思える
ﾁｬﾝｷﾞｭﾝ「相変わらず読みやすい文章書くね
本あんまり読まないけどAが書いたものなら永遠と読めそう」
「…そんなことないって」
ﾁｬﾝｷﾞｭﾝ「あー照れてるでしょ
顔赤いよ」
またイタズラな顔をしてクスクス笑ったチャンギュン
チャンギュンとわたしは同い年。
なのにいつもチャンギュンのペースのような気がする
もちろん褒められたのは嬉しかったけど
それだけが理由じゃないの
どうかバレていませんように
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作者名：向日葵 | 作成日時：2017年9月10日 18時
