僕と小さなプリンセス (ページ31)

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じゅうしゃんページ31

嘘やろ。Aさん。
ただの風邪や言うてたやないですか。
Aちゃんに会いたい言うてたやないですか。

『ママどこ？』

新山「...」

ー2時間前

新山「Aちゃん、ママに会いに行く？」

『行く！』

『ママ元気かな～』

新山「うん」

『病院？』

新山「Aちゃんのお母さん、病院で働いとるんやで～」

また嘘ついてしまった。

新山「305番室のAさんの面会に」

看護師「あっ、もしかしてAさんのご遺族の方でしょうか」

ご遺族...

新山「えっ...いや、そのAさんのお子さんを預かっとって、と言っても分からないですよね、すいません、」

看護師「あの！待ってください！新山さんですよね？ちょっとこの席に座っていてください」

新山「は、はい...」

～1時間後

看護師「すみませんお待たせしました、確かAさんのお子さんのAちゃんかな？」

『うん！ママとお友達？』

新山「あっ...」

看護師「そうやで～！」

看護師さんありがとうございます。

看護師「それで、新山さん。これ、Aさんが新山さん宛に。それとAさんの日記です。」

新山くんへ

新山くんがAを預かってくれてると聞いて安心しました。
いつもAと遊んでくれてありがとう。
これを新山くんが読んでいるということは私はこの世に居ないんですね。
風邪と嘘ついてすみません。
迷惑かけたくなかったんです。
けど、何も言わずAの場から去ったこと自体迷惑でしたね。
ごめんなさい。
Aのことよろしくお願いします。

Aより

新山「...」

看護師「日記も...見てください」

1月12日
咳が止まらず病院へ。
持病が再発したらしい。あと、1ヶ月しかない
明日から入院生活。
Aごめんね。
こんなママでごめん。

1月13日
入院生活1日目。
A大丈夫かな...

2月3日
今日は節分。恵方巻き食べた。Aが幸せで居られますように。

2月18日
新山くんが来た。Aのこと預かってくれてるらしい。良かった。新山くんで。
Aも毎日楽しんだろうなぁ～。

2月21日
Aママもう限界。
ママの分まで強く生きて。
新山くん、ありがとう。

毎日Aちゃんの事考えとったんや...

新山「...」

『のりくん泣いてるの?どこか痛い？』

新山「大丈夫...ごめんな。Aちゃん、帰ろうか。」

『ママどこ？』

新山「...」

Aちゃん。ごめん

どうすればええか分からないねん...