【ヒューマンバグ大学】 『美しい華にも毒があるようで。』

■"EP.42 ページ44

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事は、1か月前

俺たちが根城を張る空龍街に只事ではない事件が勃発していた。










「３丁目のジュエリー村田もやられました！」



『マジ？』



「これでもう4軒目だぞ！」









それが、宝飾店を狙った連続窃盗事件だ




犯行現場には毎回、キツネの絵が描かれた紙が落ちていた









『まーた、コイツらだよ
下手くそな絵描きやがって
絵描くなら、蒼一郎に頼んだ方がいいんじゃないの？』



「…いや、それもそれでやばいぞ
…何がともあれ…完全に舐められてるな」










それは、同一犯によるまるで俺たちを嘲笑うかのような犯行だった





無論警察も犯人特定に動いているのだが、操作状況は芳しくないようだった。


警察も警察で、俺らの行動を監視しているみたいで現場に行く度に釘を刺される




本当に捜査に動いてんのか？







しかし、これは天羽組の信用に関わる問題だ


痺れを切らした親っさんから独自操作の命が下った





担当となった俺は空龍街の外れに住み着くホームレスの所へ向かった










「長老、お久しぶりでございます」



「おぉ！誰かと思ったらカブトちゃんじゃねぇか！」



「ワンカップ買ってきました」









30年以上この街を見ている長老の観察眼は凄まじい




その見込み通り、例の窃盗事件の事を話すと長老はすぐに口を開いた









「あぁ、それなら“火三狐”ってヤツの仕業じゃねぇか？」



「火三狐ですか…？」








聞けば最近、金髪の3人組がこの辺の公園をたむろしているのを長老の仲間が何回か見ているそうだ




この人たちは常に街を見ている

そして、常に仲間内で情報を回しているのだ






これだけ情報があれば、すぐに尻尾が掴めると思ったのだが半グレや族の奴らは全くその存在を知らなかったのだ










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