【ヒューマンバグ大学】 『美しい華にも毒があるようで。』

■"EP.40 ページ42

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俺の名前は、小峠華太








「なぁなぁ、俺って怖いの？」



「はい、怖すぎて正気を保つのがやっとです」



『紫色した悪魔の化身だよね〜』








小林の兄貴の逆鱗に触れた仁義外れを追うアラサーの極道だ






目下、極道の世界に振りかかっている大きな問題


それは、深刻な後進不足だ





極道が幅を利かせていたのは、もう半世紀も前のこと

今じゃ、街を歩くだけで観光名所みたいな扱いを受ける






そんな状況の渡世に憧れを抱く若者は少なくなった








「人材不足って聞いて組に入ってあげようかなと！
救世主っす！」



「救世主ぅ？」



「うっす！
あ、お姉さん可愛いっすね
この後、一緒にどっか行きませんか？」



「…ぁ？お姉…さん…？」



『え？私？』









例え新人が入ってきても、上から目線の奴だったり本職相手にナンパを行う猛者もいる









「お前、頭蓋骨に“ナンパクソ野郎”って書いとくわ」



「ぎゃああああ！
な…なんでぇぇぇ！」



『ごめんね…
私、青臭い小僧には興味ないから
あ、実験台でいいなら一緒に闇医者の所行かない？』



「ぇ…？」









そんな奴は無論、組に入った瞬間兄貴からヤキを食らうハメになる










『痺れ薬の実験台は確保したから後は自白剤かぁ…』



「Aさん！！
今日も美しいッス！」



『はいはい、隆太
口じゃなくて手動かす』



「本当の事ですから！」









ちなみに先程、ナンパをされていたこの女


東雲Aは、ナンパをされるのも当たり前の容姿をしている




透き通ったような肌に赤ワインを染めたようなグラデーションになっている髪の毛


そして、有無を言わせない圧倒的戦闘能力




組内で一目置かれているのも納得がいき、その性格から下の者も慕っている奴らが多いのだ


Aの舎弟である名取はもちろん、北岡もAに思入れがある一人だ










『…ぁ、隆太、机の上にあるメロンパン食べていいよ
今からシマの見回りでしょ？
お腹空くから持ってきなよ』



「いいんですか？
めっちゃ美味しそうっす！」



『うん
昔からの友人が送ってきてくれたんだけどさ…そいつ丁度いい量っていうの知らないらしいし一人じゃ食べきれないから好きなだけ持っていきな』



「ありがとうございます！姉貴！
いつかお返しします！」



『んー』










と、まぁ、Aのこんな性格も関係しており信頼している者も少なくない










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