【ヒューマンバグ大学】 『美しい華にも毒があるようで。』

■"EP.27 ページ29

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小峠side










俺の名前は、小峠華太










「なぁ、俺って怖いかぁ？」



「はい、この世のものとは思えません」



『人間の格好した紫色の悪魔にしか見えない』



「右に同じく」








小林の兄貴の怖さに痺れるアラサーの極道だ





先日、天羽組の関係者を名乗った事件だが、主犯の山田は無事に粛清され、Aも数日後には退院した



そして、約束通り冨樫の兄貴が焼肉を奢ってくれ、速水と北岡が泣きながら焼肉を食っていた



まぁ、一先ず一件落着したようで良かった







ここ、空龍街には暗黙のルールが存在している


それは水商売や風俗の商売をするならば、俺ら天羽組へ仁義を切ること


特に半グレがやる違法風俗などは、絶対に見逃さねぇ




見つけたら、命をかけてでも徹底的に粛清する







その行動には無論理由がある






違法系のクソ共は、一時的に稼ぐことを考えて客を乱暴に扱うことが多い。




その為、今後客足が遠のいてしまう恐れがある


変な噂が立ち、街に人が来なくなったら俺たちは終わりなんだよ





だからこそ、仁義外れには無法の制裁を加えるんだ…徹底的にな。



結果として、街の治安を守る事になるってわけだ。








しかしここ最近、この空龍街にその掟に反する奴らが現れた


それは韓国人を中心としたマフィアグループ“罵覇無鵜斗”だ






奴らは昨今のブームにあやかって、韓国をコンセプトにした風俗店を違法経営


あらゆる繁華街に進出し、現地のヤクザとトラブルを起こし続けている







しかも、その性質は極めて凶暴

一般人が見ている中で、躊躇なく刺し殺したことがあった





当初は、規模の小ささから静観していたものの、近年韓国本土のマフィアが一気に進出してきた。










『“罵覇無鵜斗”ねぇ…
何で半グレって変な名前しかつけないの〜？』


「バカだからだろ」



『あー、なるほど〜
…ねぇ、幸真、パフェ食べたい』



「こないだ食べただろうが」



『パンケーキでもいいよ！』



「人の話聞け！！」








ソファに寝っ転がりながらそんな事を呟いてるAを横目で見ながら、俺は書類に目を向けていた


隣にいる北岡にその書類を渡し、一つため息をついて北岡の方を向く








「もう見過ごせねぇ
組として一度話した方がいいな」


「そ、そうですね」








こうして彼らが力をつけすぎる前に一度、契りを結んでおこうという話になった。








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