【ヒューマンバグ大学】 『美しい華にも毒があるようで。』

■"EP.18 ページ20

･










「あ…？」










驚いてる間もなく、紫色の煙が山田の視界を染めていく


瞬時に山田の顔色が青ざめていき、山田の身体がガクンと一つ下がった



それを確認した紫色の煙を焚いた張本人が笑い出す










『ダメですよ〜
毒扱うなら、毒に耐性もってないと〜』



「A!?」



「て…てめ…ぇ…演技だったの…かよ…」










息もキレギレになりながらそう言う山田を見てAの顔から笑顔が消えた



持っていた噴射器を投げ捨て冷めた目で山田を見るとため息をつくA










『は？当たり前だろ、ばーか
あんなショボイ毒、とっくの昔に耐性ついてるわ』



「くそが…舐めやがって…」










欠伸をしているAを見て、山田がキレた


山田が怒り任せにチャカをひく






瞬時にAが銃弾をかわしたがその内の一発がAの首元をかすった


その時、Aの首元にあった包帯がとれた










「あ…」










その時、俺たちは見てしまった


ずっと、Aが隠し続けていた首元を





そこには、まさに古傷といっていいような痛々しい傷跡があった









Aは、入門した時から首元と手首に包帯を巻いていた





初めは、怪我をしてるのかと思ったけど、数年経った今でもその包帯を取ってる時を俺は見たことがなかった


恐らくだが、その傷跡を隠す為に今まで包帯をしていたのだろう










「う…うわ…
てめぇ、マジかよ
その傷キモすぎだろ」










ふと、目の前にいた山田が嘲笑うかのように呟いた




その言葉に反論しないA

だが、そこにら見た事もないような殺気を纏ったAの姿があった










『てめぇ…どうやって死にてぇ？
特別に選ばせてやるよ』



｢は…？｣



『答えんのおせぇわ
後、てめぇ誰だよ』










そう言って、自身の足元にチャカをぶっぱなすA



そこには、Aの毒で死んだかと思われた山田の部下がナイフを持って死んでいた




恐らく、この流れに沿ってどうにかAのタマをとろうとしたのだろう










『めんどうだから銃でいっか
てめぇに毒使うのもったいないし』



「クソアマぁぁ…！」










そう叫びながら最後の力を振り絞るように、胸元からナイフを取り出し、Aの方へ駆け出していく山田



Aが銃を放とうとした時だった







俺と小林の兄貴の間をすり抜ける人物がいた



と思いきや、そいつは飛んだんだ










･

■"EP.19→←■"EP.17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す