【ヒューマンバグ大学】 『美しい華にも毒があるようで。』

■"EP.17 ページ19

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段々とAの呼吸の間隔が短くなってる気がする



これは、本当にヤバいやつかもしれない







助けたとしても後遺症は必ず残る


かといって、ここでAを失うなんて






だが、空龍街で薬を売るという行為は俺たち天羽組にとっての損害がかなりでかい





どうすれば…







きっと、小林の兄貴のことだ


組を一番に優先するに違いない






幾ら相手がAだろうと、割り切らないといけない時もある


そして、それが今なのだ







仲間の命とこれからのシマの命


守るべきは、シマの方だろう






仕方ない

これは仕方の無い事なんだ




唇を硬く噛むとほのかに血の味がした










『はぁはぁ…ぁ…はぁ…』



「っ…A…」









本当に…本当にこの選択で良いのだろうか





助けられるかもしれないのに


俺は見て見ぬふりをするのか？







ふと、下を向いた時だった



隣にいた小林の兄貴が口を開いた










「華太ぉ」



「は、はい！」



「責任は俺がとる
Aを助けるぞ」



「ｯ!はい！」










小林の兄貴がそう言ったの同時に、目の前のクソ野郎が笑い出す










「おいおい、こんなクソ女助けて利益あんのか〜？
空龍街で薬ばらまかれていいのか〜？」



「あ？いい訳ねぇだろ？
てめぇ殺したら全て解決するだろ？
てか、Aはクソ女じゃねぇよ
その言葉、今すぐ取り消せ」










小林の兄貴がそう言った瞬間だった



目の前の人物が、突然チャカを取り出した











「なっ…！」



「やっぱり気が変わったわ
この女今すぐ殺すことにする」



「やめろ！山田！」



「やめねーよ」










俺の叫びも虚しく、山田のチャカがAのこめかみに当てられる。



つーっと背中に嫌な汗が流れた。







ま、まずい

どうすれば…










「残念だったな、小林よ」










山田がそう言ってチャカを引こうとした時だった



突然、紫色の煙が山田の顔面を包み込んだ










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