平行線 (ページ17)

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私が目黒さんの髪の毛を弄っている時、
鏡越しに目が合って。

目「Aさんの方が年上なんで敬語じゃなくて良いですよ」

『いやいや、仕事なので』

目「俺が敬語辞めて欲しいんですよね、長い付き合いになるでしょ？」

『…まあ』

目「斉藤さんもタメ口だったので。俺も敬語取りたいですし。お互いってのは、どうっすか？」

『斉藤さんと比べないで下さいよ…。でもまあ、じゃあ、お言葉に甘えて？』

目「よっし」

『目黒さんって…』

目「それも」

『え？』

目「目黒さんも辞めて？」

『えぇ…、初対面…』

目「良いじゃん」

『じゃあ、蓮くん』

目「蓮で良いんだけど」

『え！？』

目「はい、言ってみて。蓮って」

『れ、…蓮』

目「よくできました」

『なっ、』

鏡越しの彼は
ニヤッという効果音がつきそうな笑みを浮かべていて。

この人の言葉を間に受けるのは辞めようと思った。

目「ねえAさん」

『なに？』

私のはい終わりの声と、

目「俺さ、メンバーの誰よりもAさんと仲良くなりたいんだよね」

セットがちょうど終わった時の蓮の一言が軽く被る。

『…ん？どういうこと？』

目「他の人には負けねえよってこと」

ありがとねとだけ言って、
頭をポンっと乗せて去っていく彼。