僕から君へ 2 (ページ17)

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割れたコップを素手で触ったからか

少しだけ指を切っていて。

『あー、…切れた』

傷口を水で洗い流してから、

コップを丸めた新聞紙をゴミ袋に入れる。

照「Aさん」

急に掛けられた声にびっくりして肩を揺らす私。

『あ、照くん…。ありがとう。助かりました』

本当にたまたま良いタイミングで来てくれたことにお礼を告げて、

切れた指を隠してふっかさんの元へと戻る。

ふっかさんが横になっているソファは

仕切りが作られていて、

その仕切りに入る前に

照くんに指を切った方とは別の腕を掴まれる。

『…照くん？』

照「指、切った？」

この人はなんで分かったんだろう。

『切ってないよ』

照「見せて、そっち」

私に見せるように促したのは右手。

渋々、手を差し出すと、

照「切ってんじゃん」

『大丈夫、そんなに深く無いから平気』

照「だめ。消毒しよう」

『ちょ、照くん』

私を椅子に座らせて

照「あ、ここ俺の会社じゃない」

とかなんとか当たり前のことを言う。

『ふっ…』

笑いを堪える私に、

照「消毒液、有るかわからないし、取り敢えず応急処置ね」

このティッシュ巻いて血抜いて

そう言う彼は手慣れてる。

最後には絆創膏を貼ってもらう。