「Yuki」2 (ページ33)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:47,483 hit

82 - f side - ページ33

さっきからAちゃんが言う一言一言が

俺を調子に乗らせる。期待させる。

本当に良くないよこの子。

無意識なんだもんな。

これで俺のこと好きじゃないです。
みたいなの平気で言えそうだもんな。

てか好きじゃないのは事実かもしれないし。

「嫉妬、なんて…」

ほら、

その顔。

f「質問変える。Aちゃんはあの男と付き合ってんの？」

「付き合ってません、」

俯いてボソッと呟く彼女。

好きなの？あいつのこと、

なんて聞く勇気は俺にはなくて。

本当はチラッと聞こえたすずちゃんたちとの会話。

好きな人が居ることが分かって、

焦って。

Aちゃんに優しくて、

Aちゃんにとって一緒に居て楽な人

なんて俺が知る限り想像以上に居て。

もしかしたらあの日の男か、なんてずっとモヤモヤしてたのも事実。

f「そっか。

じゃあ、狡い質問して良い？」

f「佳那と俺が一緒に居るの見て、どう思った？」

俺の質問に、

驚いた顔で俺を見つめてくるAちゃん。

その瞬間、俺の心はギュッと締め付けられた。