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あの後も特に何も忙しくなることはなく、
今日一日の仕事を終える。
「お疲れ様でした〜」
おつかれ〜なんて返ってくる声を聞いて、
みんなが片付け始める音も聞こえてくる。
一日厨房だった私は
厨房の掃除がてら、舘さんの仕込みを手伝う。
my「よく気付くよね」
「ん？」
my「目黒。メインの前くらいに厨房行ったでしょ？」
「ああ…、ちょうど舘さんと入れ替わりだったもんね」
食器を置きに来た照くんから受け取って、
洗い物を始める。
my「俺鉄板の前に居たからあんまり話分かんないけどさ、Aちゃんのグラス持ってたから」
「舘さんもよく見てるね…」
my「んー？ふふ、そう？」
「顔色悪いって言われたんだよね」
my「顔色？そうでもないけど」
「うん、多分顔色悪いは間違えてるよね。ちょっと火照ってたんだと思う。暑くて」
my「あー、成る程ね。目黒の頭では間違えたと」
「凄い急にディスったね」
my「そういうことを言いたいのかなって思って」
「私そこまで言って無いんだけどなあ…」
my「そうだった？俺にはそう聞こえたかな」
「舘さんが一番意地悪かもしれない」
my「誰と比べて？」
「ふっかさん」
my「ふっかと比べられてんの？いやー、それはふっかでしょ」
「やっぱりふっかさんって誰が見ても意地悪？」
my「意地悪…と言うよりは、見てきてる感じ女の子にはそう思われても仕方ないかもね」
「どういうこと？」
my「思わせ振りしないで！って言われてるの散々見てきたから」
「…成る程？それはふっかさんの優しさ故だね」
ふふっと笑う横で、舘さんの動きが止まる。
my「初めてだよ」
「なにが？」
my「んー、モテるからさ？ふっかって。こういう話になると深澤に騙されるななんて言われてたから。俺も同級生にふっかと仲良くなりたいとか相談される時あったけどさ、みーんな口を揃えてふっかはチャラい、口だけだって言うんだよね」
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作者名：ほたる | 作成日時：2021年7月22日 13時
