「Yuki」2 (ページ1)

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mr「Aさん、顔色悪い」

お客さんの対応も中盤になってきた頃、
急に背後に現れた蓮くんにそんなことを言われる。

いや、体調は悪くないはずだけど…？

そんなことを思っていたのは私だけだったらしく、

ずっと厨房で作業していると自然と体温が上がってしまうくらいには、フロアよりも厨房は暑い。

mr「飲んで」

いつも差し出される飲み物とは違って

今日は水。

mr「ごめん、カルピスさっき切れて…。在庫気付いてなくてさっき冷やしたんだよね」

明らかに下がる眉。

申し訳なさそうに言ってくるからなんか可笑しくて。

「私がカルピスしか飲まない人だとか思ってる？」

笑いながら言う私にほっとした表情を浮かべる蓮くん。

「ありがとう。ちょっとほてっただけだよ」

mr「暑いから気を付けて」

「ん、ちゃんと水分取ります」

i「目黒、メイン出る」

mr「はい」

見ればちょうどさっくんがスープを下げて

テーブル席のお客さんに
もう少しでメインが出そうなタイミング。

土鍋の中蓋を取って、
メインとご飯と一緒に出せるように

小鉢とお味噌汁をトレンチに乗せて持っていけるよう準備しておく。