「Yuki」 (ページ21)

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バイトを始めてから早くも2ヶ月が経とうとしていた。

すっかり仕事にも慣れて、
あの場の雰囲気にも慣れて。

しっかり馴染めるようになってきた頃。

未だにたまに敬語出るけど。

そんな今日はランチとディナーの両方…所謂フルシフトで入っています。

もう既にランチは働き終えてディナーの準備に取りかかろうとしていた時、

f「あー、Aちゃーん」

「はーい」

f「ちょっとお使い頼んでもいーい？」

「良いですよ〜」

f「じゃあはい、これお願いします」

「行ってきます！」

ふっかさんから買い出し用の財布とメモを預かってお店のドアを開けると、

a「おっと、」

「あ、阿部ちゃん！ごめんなさい！」

a「大丈夫だよ。あれ、お使い？」

「うん、頼まれました」

a「そっかそっか、気を付けてね」

「いってきまーす」

a「行ってらっしゃい」

ニコニコの笑顔で手を振ってくれるバイトリーダー。

頭が良い大学院生、阿部ちゃん。

店長、社員、バイト全員に慕われていて、
本当に、The 仕事ができる人。

困っていたら何も言わずにサポートしてくれて、

間違えたらちゃんと指摘して教えてくれる人。

頼りになる、では言い表せないくらい
頼りになるバイトリーダーで。

初めて会った時はびっくりしたなあ。

そんな人が居る日は割と暇だったりする。

阿部ちゃんが出来すぎて。