EPISODE1 - 5 ページ33
なんとか本鈴にも間に合い、遂に、魔法学校での授業を受ける事となった。
緊張と不安でどうにかなりそうな私を余所に、グリムは鼻歌を歌っている。
━━━ 実験室 ━━━
1限目「魔法薬学」
実験室と呼ばれた其処には、壁一面に謎の液体や薬漬けされた生物、謎の草や粉末等が置かれていたり、長机と共に大釜が設置されていたりと、なんとも怪しい空間が広がっていた。
授業が始まる前に魔法薬学の担当教師にグリムと共に早速呼ばれる
???「お前たちが今日から俺の担任クラスに入った新顔か」
教師と名乗るには随分と派手過ぎる男が、教鞭を手で打ち鳴らしながら言う。
グリム「グリムと子分のAだゾ!」
『Aです。よろしくお願いします』
そう挨拶すれば、彼は私達をまじまじと見つめた後、「ふぅん、珍しい毛色をしているな」と言葉を溢した。
グリムの毛の事か?というか、先生の方がとても珍しい毛色な気がするが…と、教師らしからぬ、黒と白の二色に分かれた頭髪を見ながら考えていると、スッ…と彼の手がこちらに伸びてきた。
私の髪先に触れ、「悪くない。日頃から手入れを欠かさないように」と少し微笑んでから手を下げた。
いや、私かい。
と、口から出そうになるのを我慢し、『ありがとうございます…?』と訳もわからないまま礼を言った。
クルーウェル「俺の名前はデイヴィス・クルーウェル。気軽にクルーウェル様と呼んでいいぞ。
さあ、さっさと席に着け。授業を始める」
『は、はい!』
なんだか担任も一癖ありそうだな…と、自分の席に戻りながら思った。
クルーウェル「まず基本的な知識として薬草と毒草100種類の名前と見分け方をお前らの小さい脳味噌にたたき込む。
菌糸類はまた別だ。散歩中に知識なく口に入れて中毒にならないように、いずれ覚えてもらう。犬はすぐ拾い食いをするからな…」
デュース「なるほど……ところでキンシルイってなんだ?」
エース「げーオレ、暗記系苦手なんだよなー」
『暗記なら私にも出来る!』
グリム「草なんか、美味いか不味いかだけわかればいいんだゾ」
ーーーーーーー
クルーウェル「…ステイ、今日はここまで。各自本日の復習をしておくように」
終わりの鐘の音と共に、クルーウェルが授業を切り上げ退室する。途端に騒がしくなる室内で、私もうんと伸びをした。薬学は白衣とゴーグル着用って…肩が凝るなぁ…
エース「はー。終わった終わった」
デュース「次の授業は魔法史だな。教室に戻ろう」
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時