- ページ44
ずっと立って会話をするのも人目を引くので、ケイト達のテーブルに同席させてもらう事にした。
トレイ「──で、お前の聞きたがっていたユウって奴の事だが…………悪いが、俺には全く心当たりが無いんだ。人違いじゃないか？」
目の前に座るトレイの話を聞き、咄嗟に声が出る。
『なっ…！そんな筈ない！夢の中で一緒に喋ってたのは、確かに貴方だった…！』
そう言うと、みんなは一斉にこちらを向き、「夢？」と眉を顰めながら呟いた。
『そう、夢！暗くて重苦しい空気に包まれた空間で、何人もの生徒が血だらけで倒れている…人々が泣き、逃げ惑う酷い夢の中、この人が首のない死体を抱えて座り込んでいた！そしてユウと話をしていたの！！』
物凄い表情になっている4人を置いて、私は話し続ける。
『私は貴方の事を夢の中で初めて見た！そして今日、実際に存在していた！あの夢は過去にこの学園で実際にあった出来事だった筈…私はそれを追体験した……違いますか！？』
バン！！と机を勢い良く叩いてトレイに詰める。詰められている当の本人はと言うと、「うぅ〜ん……はは…」と苦笑いを浮かべていた。
エース「お前、頭大丈夫か？」
『私は真面目に言ってるんだからね！？』
口を挟んで来たエースの顔は、本気で心配している様で余計腹が立つ…
すると、黙っていたケイトが優しい口調で話し出した。
ケイト「Aちゃん。ヒートアップしてる所悪いんだけどさ、トレイくんが入学してからとか言う以前に、この学園創立以来、そんな物騒な事件起こってないと思うんだけどねぇ〜…」
『……へ？』
デュース「僕も学園のそんな話は一度も聞いた事無いな…」
エース「俺も。兄貴もここの卒業生だけど、そんなエグい事件あったなんて言ってなかったし」
『ええ！？う、嘘だ！！』
エース「お前さー、現実と夢が混同してるんじゃねえの？」
『で、でも！私はこの人の事夢で初めて見たんだよ…！？』
デュース「学園内の何処かで気付かない内に見掛けていたんじゃないか？それで偶然夢に出てきた…とか」
『…ええ…？…そんな事……』と言いかけたが、入学式から昨日眠るまでの間に一度もトレイを見かけていないのか？と言われれば、NOと強く言い切る自信は無い……
黙っていると、エースが再度口を開く。
エース「つーかさァ、そのユウってヤツなんなの？」
デュース「僕も思った。Aの話しぶりからして、この学園の生徒…なのか？」
『違う。ユウはこの学園の元生徒』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです！ (2022年7月29日 18時) (
レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません！こちらこそいつもありがとうございます！(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいｯｯ！！ユウくんが出てきたのにはびっくりしました！ヤンデレ…ですかね？いつもありがとうございます！次も楽しみに待っておきますね！更新お疲れ様です！ (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります！来週も更新出来るように頑張ります！ (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬま | 作成日時：2022年4月18日 10時
