魔女と大悪魔 ページ10
「……あなた、もしかして、ノエル・チェルクェッティ？」
「あの、というか、あなた…… ！？ オ、オスカー！！」
ノエルは素早く私の後ろに回り込み、オスカーに駆け寄った。
「……なに？ ノエル……なのか……！？ そうか、生きていたか…… よかった、ひさしぶりだな」
オスカーは、すっかり疲れきった顔で、優しく笑った。
「ごめんなさい。傷を癒すために二ヶ月も行方をくらませてしまって……」
「いや、いい。死んでは元も子もないからな。生き残ることが最優先だ。……わざわざオレを回収しに来てくれたのか？」
「当たり前でしょう。にしてもオスカー、……この人は誰ですの？」
ノエルは不審そうな目を私に向けた。そこではっとなる。
「あ、も、申し遅れました……！ 私、A・カルヴィです」
ノエルは名を聞いてくれてたのに、驚きのあまり無視してしまっていた。これは申し訳ない。だが、当然ではあるが、彼女の不審そうな視線は拭えなかった。
「ノエル、オレの元同僚だ。彼女は魔人や悪魔のこともよく知っていて、信頼できる」
「そう、ですの……。でも、詳しい話は後ですわ。オスカー、怪我は大丈夫ですの？ ……30日も」
ノエルは心配そうにオスカーを見る。その様子は、彼に対して申し訳なさそうでもあった。
「今は正直目の前がふらついてるが、怪我はAが傷薬を塗ってくれた。命にかかわるようなモノはないから、安心してくれ。
それより、ヤツらはお前の居場所をかぎ回っていたようだが、大丈夫だったか？」
「ええ、なんとか。スピカが逃がしてくれましたから……。上にはカロンもいますわ。今はここから離れましょう！ えっと、Aでしたわね？ 一応、あなたも来てくださいまし」
「は、はい……」
「……スピカが？ 何か入り組んだ事情があるようだな。だが、お前の言う通り、まずはここから出るのが最優先。……行くとしようか」
私は、懐のアーミーナイフを取り出し、オスカーの拘束を解いた。よくリベリオに気がつかれなかったものだと、我ながら感心してしまった。彼は立ち上がったが、少しふらついた。
「オスカーさん」
私は彼に肩を貸し、ノエルの後についていくように、支えながら歩いた。階段を上ると、そこには悪魔がいた。スピカやグーフォとはまた違う、長身で、カラスを思わせる頭部を持つ大悪魔だ。
「オスカー！」
「カロン！ お前も無事だったか！」
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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