魔女 ページ9
「オレたちを捕らえていることを誰かに勘繰られたか…… 元々、オレを捕らえた事は本隊に話していないようだったからな」
「そうですね…… 本隊に連れられたなら、もっと情報を引き出すことなんて容易ですよね」
「リベリオがオレにノエルの場所を聞くのは、あいつがノエルに聞きたいことがあるかららしいが…… オレもノエルたちとはぐれてしばらく経つ。今あいつらがどこにいるかは、本当に知らない」
「ですね。……まさか……」
「どうした？」
「……いえ、そうでないことを祈ります」
もしかしたら、
──私だって、黙っていたいわけではないんです。
困ったような顔をするオスカーに、心の中で呟いた。
***
どれくらい経っただろうか。地下は暗く、外の様子は全く伺えない。
かなり冷え込んできたあたり、もう夜なのだろう。ボロボロのベッドにあった薄い毛布を、未だ座らされているオスカーにかけた。
「オレはいい。お前が使え」
「そういうわけにはいきませんよ、オスカーさんだって冷えてるでしょう」
私はコートの内側にもそこそこ着込んでるが、彼はそうとは限らないだろう。
下手に拘束を解くと、リベリオに怪しまれる可能性があるため、せめて毛布でも、なんて考えただけだ。
「……そう、か。お前は大丈夫か？」
「大丈夫です。お気になさらず──」
突然、上の階から大きな物音が響いた。鎖を引きずるような音と、男の呻き声がした。驚いて見上げるが、当然様子はわからない。
「な、何が……」
同時に、誰かが階段を降りてくる音もした。こちらは軽い響きで、恐らく体重がそんなにないであろう者が近づいてくるのが分かった。
──万が一、リベリオたち以外のOCTだったら、かなりまずい。
私は入り口の方を向き、オスカーを隠すように立つ。どくん、どくんと心臓がやかましくなる中、人影は現れた。
「きゃっ！ ……え。あ、あなたは、誰ですの……？」
その少女は、綺麗なカシス色の目をぱちくりと動かした。整っているがどこか幼さを感じる顔には見覚えがあった。──あの、テロリストの少女だ。
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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