来訪 ページ7
「お前はオレの座る椅子の背に寄りかかるようにして寝ていたが、リベリオは『そこは冷える』とかなんとか言ってお前をそこに移動させた」
「……それは、なんか申し訳なかったですね」
「いや、大して気にしてなさそうだったぞ。あと、先程昨日と言っていたが、三日は経った」
「え」
向こうはそうでもこちらは気にする。次からはちゃんと移動した方がいいだろう。気を付けよう。
それにしても、そんなに寝てしまっていたとは意外だ。きっと、オスカーと再会できて安心したのだろう。
「それに、そろそろ──」
「……もうお目覚めか？」
「ヒヒヒ、よく寝ておったのう。小娘」
ドアを開く音と共に、リベリオとスピカが入ってきた。無表情のリベリオに、嬉々としているスピカ。真反対な二人だ。
リベリオはつかつかと歩き、私の目の前に立つ。
「今日はお前に話がある。来い」
「わ、私に？ 私はあなたと話すことなんて──」
「いいから来い。スピカ、オスカー・ドレッセルを見張っとけ」
「……フン」
有無を言わさず腕を捕まれ、そのまま部屋の外まで連れて行かれた。奥に進み、階段付近まで腕を引かれた。
「……突然、何ですか？」
彼の手を振りほどき、まっすぐ見つめた。なめられないよう、引いてはいけない。そんなことを思った。
「言っただろ。話があるだけだ。そんな怖い顔するな」
「……」
リベリオはひとつため息をつき、切り出した。
「お前、OCTに
「────！」
そう来るか。そこを切り出されるとは思わなかった。脳裏に、
「図星か」
表情に出ていたらしい。リベリオに情報を与えてしまった自分に苛立ったが、これではもう誤魔化せないだろう。
「……いたらどうだというのですか」
「どうもしねぇよ。ただ確かめたかっただけだ。もういい」
そう言い捨てると、再び私の腕を掴み、部屋の手前まで連れていく。リベリオはドアに手をかけようとしたが、ふとこちらを見た。
「お前、オスカー・ドレッセルの元同僚だったな」
「……」
「……フン。もう何も言わねぇか。まあいい」
リベリオはドアを雑に開けると、私を部屋に入れた。スピカを呼び、そのまま振り返ることなく去った。
「A、大丈夫か」
「大丈夫です。手荒なことはされてません」
「そうか。……だが、一体何を──」
「……些末な話でしたよ」
秘め事は、まだ言えない。
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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