吐露 ページ6
「……その、……オレも、…………」
オスカーはごにょごにょと呟く。はっきり言ってほしい。彼は唾を飲むと、まっすぐ私を見据えた。
「オレも、……お前の事が……」
「……事、が？」
「…………………………」
今にも爆発しそうな顔をするオスカー。正直、とても可愛い。純粋かつバカ真面目故に、女性に甘い言葉をかけるのが苦手なのだろう。
「……本当は、ずっと……、す、すいて、いた……のだ、と、思う……」
爆発した。言葉を絞った後は思いっきり項垂れ、今にも湯気が出そうな勢いだ。
「……え、えへへ、変ですね。こんな、囚われている状況なのに、嬉しくてたまらないです」
「……そうか」
オスカーは、顔を真っ赤にしたまま、少しはにかんだ。嬉しさと照れくささが混ざった表情に、胸がきゅっとした。
「……それはそうとしまして」
私は立ち上がる。
「この状況は、どうしましょうか……」
それを聞いて、オスカーの顔から少し赤みが減った。
「……そうだな。仮にお前がオレを解放してくれたところで、恐らくまた捕まるだけだろうからな」
「でも、オスカーさん、このままじゃずっと拷問されるってことですよね……」
「そういうことになるな」
先程の爪を剥がされるときの声は、とても苦しそうだった。あんなのを何度も聞くのは耐えられないかもしれない。
「とはいえ、手段もないからな。リベリオたちは、とにかく情報を引き出そうとするに違いない」
「そうですね…… 私は傷口が化膿しないよう、こっそり手当てするくらいしか出来ませんけど」
「十分だ」
オスカーは微笑んでくれた。
──本当に、優しい人だ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
──どうしたんですか？ そんな怯えた顔をするなんて
“あなたがこわいんです”
── ……そうですか
“もう、ここにはいられないんです”
──ふふ。でも、あなたは……
***
「……、A！」
「……！！」
自分を呼ぶ声に反応して目が覚めた。暗く寒い地下の部屋で、私はぼろぼろのベッドに横たわっていたらしかった。
「あ…… オスカーさん」
「起きたようだな。ずいぶんうなされていたぞ」
「……そうですか」
あんな夢を見たからだろう。あの時の記憶を思い出すと、自然と気分が沈む。
「えっと、私、昨日は寝てしまったんですよね」
「ああ。あの後お前が寝てしまって、少ししたらリベリオが来たんだ」
「……え？」
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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