吐露 ページ5
「……」
「……」
確かに、それはそれは鬱陶しいだろう。元部下からの告白など。ただ、私がもう気持ちを抑えられなかった。
それだけだ。
だが、オスカーは口を開いた。
「……オレはずっと、フーゴを、弟を、どうやって元のあいつに戻すかばかり考えてきた」
「知ってます」
「だろうな。お前は、そんなオレを
「はい」
そう言われて、思い出す。
警察署に来たばかりの時、私は事務仕事をこなすだけだった。
しかし、偶然オスカーの秘密を知ってしまい、悪魔薬学を学ぶことになって、ここまで来た。
初めは、何も知らない頃は、ただ怖い人だと思っていた。
同僚の女性たちの間でも、オスカーは怖いと噂になっていたくらいだ。時にはくだらない噂もあったが、まあそれには興味がなかった。
薬学を学び、オスカーの事をよく知るようになって、印象が変わった。
確かに彼は、あまり笑わず、自分に厳しい人だ。だが、本当はとても優しい人でもあった。
私からすれば、そんな彼に惹かれるのは、自然なことだった。
「……正直、なんて言ったら良いのか分からない。だが、
「……あの時って、いつですか？」
「そ、その…… フーゴが捕まったとき、冷たくしてしまったことと、……」
「冷たくしてしまったことと？」
理由がうまく思い出せず、思わず問い直すと、オスカーは私から顔をそらし、その顔はみるみるうちに赤くなっていった。
先程の、疲れきった青白い顔とは打って変わって、まるで茹でダコのようだ。
「……病室で……」
「……あ」
そこまで言われてようやく思い出した。病室で、オスカーがカジノ・ミスティに行く前……
反射的に、私の顔も熱を帯びていった。
思い出してしまった。突然、顎に手を添えられて、何かと思ったら、オスカーの顔が近づいてきて……
「………………」
何故、よりによって本人の前で、しっかり思い出してしまうのか。何も言えなくなってしまった。
時計の針が数周して、ようやく言えた。
「何で、あの時、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もう少しで『被虐のノエル』、五周年ですね……
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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