山小屋 ページ3
包帯を取り出すと、オスカーは言った。
「A、包帯はいい」
「え、ですが……」
「オレを治療したのがバレる。どちらにせよ、
「……」
「大丈夫だ。治療のお陰で、だいぶ痛みが薄れた」
「そう、ですか」
痛みが薄れた、といっても、痛いことには変わりないはずだ。これ以上私にできることはないだろう。それが無性に申し訳なかった。
「そんな顔をするな、A」
「……えっ？」
「それより、今の外の状況を教えてくれないか？」
きっと、しょんぼりした顔でもしていたのだろう。いけない、ちゃんとしゃきっとしなくては。顔をぶんぶんと振り、オスカーの目をまっすぐと見つめた。
「ノエル・チェルクェッティが捕まったというニュースは聞きません。恐らく、今も逃げているんだと思います」
「そうか」
「はい」
「……」
「……」
再び、沈黙が私たちの間を流れる。
だが、今度は私が先に口を開く。
「あの、オスカーさんは何があったんですか？ ……えっと、あなたほどの魔人が捕まるなんて、どうしたのかと思ったので……」
「……大体のことはリベリオの言った通りだ。一週間前、オレは
「自ら囮に！？ そんな無謀な……」
思わず言ってしまってから失礼だと気がつき、慌てて口を押さえた。だが、オスカーは何故か
「お前の言う通りだ。なんとかフーゴ達は逃がせたがすぐに拘束され、リベリオにここに連れてこられてからは、ずっとここに囚われている」
「……そうだったんですか」
ということは、一週間もあんな仕打ちを受けているという事なのだろう。気がつくと、私は
「痛く、ないですか？」
「……っ。そ、そんなに、気にしないでくれ。も、もう、慣れた？」
なんだか、オスカーが突然挙動不審になった気がする。目を見つめすぎたのだろうか。心なしか、彼の耳と頬は赤くなってるように見えた。
オスカーはぶんぶんと頭を振り、先程の深刻な表情に戻った。
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こんにちは、紅ゆずりはです。
つい最近までかなり多忙だったため、更新できず申し訳ありませんでした。
一段落したのでまたぼちぼち更新します。これからもよろしくお願いします。
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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