悪魔との契約 ページ17
「スピカに言われて気がついた。私はこの二ヶ月、いや、ラッセルと出会った八年前からずっと…… ふ抜けていたのだと。
私は…… 赤眼を持つ、大悪魔。ある契約者には手玉に取られ、ある契約者には道のひとつも示せないようでは、名がすたる」
手玉に取られた契約者。それは、市長ラッセル・バロウズの事だろう。先程聞いたカロンの過去を思い出しながら、耳を傾け続けた。
「……なにか、策があるのか」
「一番根本的で、一番不自然なことがある。悪魔の契約、そしてそれに伴う代償は絶対だ。
代償が踏み倒され、克服されるなど…… 本来ありえない。ここで思考を停止してはいけなかったのだ。ありえないということは、タネがある」
「……タネ？」
悪魔の契約、代償と聞くと、私に悪魔薬学を教えてくれた恩人と、彼と契約した悪魔を思い出す。
あの梟のような悪魔は、今は何をしているのだろうか。カロンは、さらに続ける。
「私は、こう推測している。
私がラッセルにあたえた、『市長としての人生の破滅』という代償。これがそもそも、的外れだったのではないかと。
例えばノエル、オスカー、A。お前なら『市長としての人生の破滅』と聞いて、何を想像する？」
市長としての人生の破滅、と言われると、だいたい思い浮かぶことはひとつやふたつだろう。まずノエルが答えた。
「えーと…… 不正がバレて捕まるとか、支持率が落ちて皆から嫌われるとか、そんな感じかしら」
「おおむね、ノエルと同意見だな。苦労して積み上げた功績が台無しになる…… そういうイメージだ。
場合によっては、オレたちのような復讐者に倒されることも、『破滅』と言えるだろう」
「そうですよね…… 私も二人と同じ意見です」
逆に言ってしまうと、それ以外に何かあるのだろうか。悪魔薬学の知識はあるとはいえ、政治のことに疎い私はそれ以外に思いつかなかった。
カロンは納得したように目を閉じ、こちらに向き直った。
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最新S、配信日にプレイし、その日にクリアしました。夢中になってあっという間でした。
ネタバレなしで感想を言うと、『長い間待った甲斐があった……』です。それだけ濃い内容で、とても面白かったです。
本当にすごく良かったです。最高でした。まだやってない方は是非！！
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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