山小屋 ページ15
カロンは、あの日ノエルに召喚されたこと、共にバロウズ市長に立ち向かっていくうち、互いを信頼しあう深い絆ができたこと、仲間がどんどん増えていったことなどを話してくれた──二ヶ月前の事も。
「……あろうことか、バロウズは堕天していたのだ。私たちを吹き飛ばし、ヤツは未だラプラス市長として君臨している」
「そうなんですね…… その頃、私はてんちょーの所で資金を貯めてましたから、そんな詳しくは知りませんでした」
「その後、この小屋で二ヶ月ほど体を休め、リベリオたちにさらわれ、様々なことを問われ、オスカーと再会し、今に至るというわけだ」
「……ようやく話が全て繋がりました。そんな経緯があったんですね」
「そういうことだ」
その時、山小屋の扉が開く音がした。ノエルとオスカーが出てきたようだった。ノエルは眠そうに瞼をこすっていた。
「おはようございます。ノエルちゃん、オスカーさん」
「おはよう、A。外は冷えるな」
「おはようございます、A……。もしやわたくしたち、寝坊してしまいましたの？」
「別にそうでもない、気にするな。それにしても、ここに帰り着いたが、追っ手の気配もない。本当に逃がされたらしいな」
カロンは顔をしかめ、腕を組んだ。リベリオは、私たちが逃げたことに気がついてないのだろうか。深刻そうに、オスカーは言った。
「だが…… ヤツらは、近くに駐屯地を構えていた。すぐにここを出なければならないな」
「……オスカー。フーゴたちは、今……？」
「一ヶ月前、ラプラスの港でOCTと戦闘になった。そのときにはぐれて以来だ……。
もし捕まっていれば、もっと騒ぎになっているはず。今もまだ、逃げているんだろう。オレは運が良かったが、簡単には合流できないだろうな」
それを聞き、ノエルは心配そうな顔をした。フーゴ、というのは、オスカーの弟の
「これから、どうすれば……。わたくしたち、一度、正面からバロウズ市長に負けましたのよ……？ 堕天して、大勢で挑んで、それでも、ジリアンを助け出すのが精一杯で……」
ジリアンというのは、以前爆弾魔に吹っ飛ばされたリットナー家の長女の事だろうか。彼女もまた、悪魔と契約していたと秘密裏に囁かれていたのを思い出した。
ノエルの声の調子は、どんどん必死なものになっていく。
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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