山小屋 ページ2
私の顔色が変わったのが分かったのだろう。リベリオは、淡々と説明を始めた。
「一週間ほど前に、こいつらを見つけた。他にも何人かいたが、ドレッセルが囮になったから逃げたようだったな。ここで、ノエル・チェルクェッティの居場所を吐かせてるとこだ」
「……吐かせてるって、あなた、オスカーさんに何を」
「スピカ。
リベリオは、冷酷に言い放った。スピカは、嬉々としてオスカーの横に移動する。
「あらよっと！」
彼女の陽気な声のすぐ後。部屋に、嫌な音が響いた。
「ッぐあぁぁあ……！！」
オスカーの痛々しい声が響く。私の口から、ひっという声が漏れた。
「どうしてこんな……」
「おい、ノエル・チェルクェッティは今どこにいる」
怯える私を無視し、リベリオとスピカは事を続けた。
部屋の中に何度も、嫌な音とオスカーの声が響いた。
私が耐えられなくなり、腰を抜かして膝をついた頃、リベリオは舌打ちをした。彼が、何も吐かないと判断したのだろう。
「もういい。帰るぞ、スピカ」
「ちぇ、せっかく盛り上がってきた所だったのにのう。それじゃお二人さん、仲良くな♪」
「ちょ、ちょっと待って、それって──」
私が言い終わらないうちに、二人は出ていってしまった。……それって、二人きりでいろという事だろうか。
しばらく、私とオスカーの間に、沈黙が流れる。
数分して、先に口を開いたのは彼だった。
「……久しぶりだな、カルヴィ」
「……お久しぶりです、オスカーさん…… それにしても、どうしてこんな……」
「リベリオの言った通りだ。あるふ頭でやつらに見つかり、フーゴを──オレの弟達を逃がしたんだ。殺されるかと思ったが、まあ、拷問で吐かせるのが妥当なのかもしれないな」
「……」
私はふらふらと立ち上がると、オスカーの隣に座り込む。彼の手をとり、先程、爪を剥がされた指先を確認する。
「どうした、A」
「気休めかもしれませんが、一応。染みるかもしれませんが、我慢してくださいね」
ポケットから救急箱を取り出し、消毒液を手に取った。ガーゼに染み込ませると、それでやさしく指先をとんとんと叩く。
「っつ…… そうか、お前は薬師だからな。すまない」
「いいんですよ。何となく、誰かの怪我を放置できないんです」
消毒を終え、今度は軟膏を塗る。ここでも、痛くないように気を付けながら、丁寧に事を進める。
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紅ゆずりは(プロフ) - Cyanさん» はじめまして。いつも読んでいただいて&評価ありがとうございます(*^^*)頑張ります♪ (2021年8月22日 22時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
Cyan - いつも楽しみながら読ませて貰ってます！評価押そうと思ったところ、誤タップで星9になってしまいました、すみません……断然星10の作品なので、これからも応援しています！ (2021年8月20日 22時) (レス) id: e581c2c6f4 (このIDを非表示/違反報告)
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