危機�� ページ43
ドラットン同様、入念に辺りを見渡し、怪しいものは何もないこと、私がいないことを確認すると、さっさと出ていった。
「ついでだからキズぐすりを貰うか。いくらだ」
「うーん…… おまえはPを持っているのだ。勝手に貰うから薬は持っていくのだ」
「そうか」
「リベリオ、おヌシ薬なんか使うのか？ 要らんじゃろ」
「黙っとけ、スピカ」
リベリオはキズぐすりを手に取ると、身を翻し、もう一瞥もせずにスピカと去っていった。
スピカは、フードを被り直す前に一度こちらを振り返り、にやりと笑っていたが。
二人が去ってしばらくして、てんちょーが薬剤保管庫をノックしてきた。
「……もう大丈夫なのだ、A」
「また来たんですね、OCT。
てんちょー、……やっぱり私、もう少ししたらここを出ます。大分資金も貯まったので」
「そうなのだ。じゃあ、あと数日、頑張ってもらうのだ」
「もちろん」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……どうだった、スピカ」
リベリオ・ストラーダは、とある軍用車の中で、隣に座る大悪魔に声をかけた。
「間違いないじゃろう。あの小悪魔、下手に隠しおって。おヌシらが探しておる娘は、あそこにおったぞ」
「だろうな。まあ、あの娘は数日のうちにテロリストどもを探すだろう。そのときが
「やはり性格が悪いのう。リベリオ」
「…………………………」
リベリオらは、とある雪山にある──ひとつの山小屋へと車を走らせた。
「あいつ、しぶとそうだからな。恐らく吐かないだろうが、まあ、いいだろう」
「ヒヒヒッ、
「……俺がいいと言うまで殺すなよ」
「……うるさいのぅ」
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