検索窓
今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:13,869 hit

ラプラス警察 ページ32

カジノ・ミスティの屋上。

ラプラス警察の管理官であるジーノ・ロレンツィは、爆弾魔フーゴ・ドレッセルを、ぎりぎりまで追い詰めていた。

あと一撃で彼を殺す。

だが…… 刹那、黒い服をまとう男にそれを弾かれた。

「アンタ、何者よ……!!」

「……お前は、いったい……!?」

「オレは…… ある日、事故で家族が吹っ飛んで……

そのすべてを一瞬でひっくり返す力に魅入られちまった、バカな弟を救うためにここまで来た──お前の兄貴だよ」

「……あ、兄貴……」

「今度こそ、間に合った」


***


「今、下でノエルが大勝負をしている。あいつが勝つまで、この場を投げるわけにはいかねぇ」

「……わかった。それならなおのこと、負けるわけにはいかないな。オレたちを導いてくれた、被虐の魔女のためにも……!」

────冷たくつき放そうとも、オレの事を想い動いてくれた、Aのためにも。

オスカー・ドレッセルはその想いを胸に、ジーノ・ロレンツィにサーベルを向けた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

目を覚ますと、消毒液臭い場所にいた。

「(……ここは?)」

私は、さっき、オスカーの病室で────

**************

『……、オ、オスカーさん……?』

『カルヴィ。オレはこれからお前を気絶させる。だから、事情聴取されたとき、実はずっと起きていたオレがお前を脅して、色々持ってこさせたと伝えろ』

『そんな! 私が勝手にしたことなのに……』

『……お前は、まだ悪魔薬学を学びきってないんだろう。今オレと共犯だとバレてしまうと良くない。だから上手く誤魔化せ』

『………………………………』

『そんな暗い顔をするな。いつか────』

『いつか?』

『……いや、それは分からないな。何でもない』


****************


「(……そうだ。それで気絶させられて)」

今、別の病室で寝ていたのだろう。

「起きたか、カルヴィさん」

横にいたのは、例の同僚だった。何となく、ついさっき来たばかりなんだろうなと思った。表情が、固い。

「こんにちは。……あの、今何が……」

「……昨日の夜、ミスティが大炎上したんだ。支配人のコフィン・ネリスとジーノ管理官は行方不明になり、テロリストどもにも逃げられたらしい。

ラプラス警察は非難轟々。お陰で今度、国から部隊が派遣されるらしいぞ。バロウズ市長はごねたらしいけどな。それに、市の警備はかなり強化されている」

地下室の終焉→←覚醒



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅ゆずりは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。