【被虐のノエル】どんなあなたでも変わらない≪オスカー・ドレッセル≫ (ページ28)

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出来ることページ28

特に、ラプラス警察に対する不満が高くなり、非難の声をよく聞くようになった。だけど、今はどうでも良かった。

早く────隊長を、助けたい。

「……隊長。爆弾魔(ボマー)が、フーゴ・ドレッセルが脱獄して、魔女ノエル・チェルクェッティと大暴れしてるらしいですよ」

相変わらず目を覚まさない隊長を見つめたあと、私は病室を後にした。

Aが病室を後にしてしばらくして、病室を訪れた医師らが話をしていた。

「あの怪我で持ちこたえるとは、さすが魔人だ」

「とにかく、起きたら事情聴取だな」

彼(・)は、大悪魔にやられ大怪我をしたときからずっと、微かに意識を保っていた。

つまり、己の近くでされていた話はすべて、聞こえていた。

自分が魔人だとバレてしまったことも、弟が脱獄したことも、──── 一人の部下が、自分を見舞いに何度も病室を訪れていたことも。

「……オレ……だけが…… ……寝てるわけには……いかないな……

……そうだろう？フーゴ…… ……カルヴィ……」

彼の小さな小さな決意の声は、誰にも──側にいた医師にすら、届かなかった。