出来ること ページ27
「あの、オスカーさんは……」
「無事です。一命は取りとめましたので今から病室に向かいます」
それを聞いて、一気に力が抜けた。へなへなと、床に座り込んでしまう。
それと同時に、考え始めた。
私が出来ることはなんだろう。私が、隊長のために出来ることは────
隊長を、一日でも早く全快させること。
私の中にある悪魔薬学は、魔人にもよく効くから、それができる。
なら、もうすでに決まっている。
私は勢い良く立ち上がった。
「すみません」
「な…… 何だ?」
同僚の彼は戸惑っていた。私は、きっぱりと言った。
「私、戻りたいんです。──ラプラス警察署まで、送って貰えますか?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それからの私は、もう迷わなかった。
悪魔薬学をひたすら学ぶ。一日に一度だけ、お見舞いのため病院に行く。
隊長は、まだ意識が戻らない上に、魔人ということがばれてしまったため、起きたら事情聴取があるそうだ。心配で、とにかく、早く目を覚ましてほしかった。
「A、ここハ…… ゲホッ!!」
「お師匠、大丈夫ですか?」
それに──お師匠が、明らかに弱っている。グーフォによると、
お師匠もそれを分かっているらしく、焦りを感じる。私もまた、毎日必死に詰めこんでいく。
──隊長が殺されかけ、二日後の昼過ぎ、指名手配犯ノエル・チェルクェッティの手助けにより、
第二刑務所は派手に燃え、怪我人も多いらしい。死人が出ないか心配だが、きっと大丈夫だろう。
──その数日後、つい最近閉鎖された洞窟に
正しくは、『爆破するために』乗り込んだのではないかもしれないけれど、ラプラスは大混乱だった。
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