検索窓
今日:30 hit、昨日:25 hit、合計:13,916 hit

出来ること ページ27

「あの、オスカーさんは……」

「無事です。一命は取りとめましたので今から病室に向かいます」

それを聞いて、一気に力が抜けた。へなへなと、床に座り込んでしまう。

それと同時に、考え始めた。

私が出来ることはなんだろう。私が、隊長のために出来ることは────

隊長を、一日でも早く全快させること。
私の中にある悪魔薬学は、魔人にもよく効くから、それができる。

なら、もうすでに決まっている。

私は勢い良く立ち上がった。

「すみません」

「な…… 何だ?」

同僚の彼は戸惑っていた。私は、きっぱりと言った。

「私、戻りたいんです。──ラプラス警察署まで、送って貰えますか?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それからの私は、もう迷わなかった。

悪魔薬学をひたすら学ぶ。一日に一度だけ、お見舞いのため病院に行く。

隊長は、まだ意識が戻らない上に、魔人ということがばれてしまったため、起きたら事情聴取があるそうだ。心配で、とにかく、早く目を覚ましてほしかった。

「A、ここハ…… ゲホッ!!」

「お師匠、大丈夫ですか?」

それに──お師匠が、明らかに弱っている。グーフォによると、もう、いつどうなっても(・・ ・・・・・・・・)おかしくないそうだ。

お師匠もそれを分かっているらしく、焦りを感じる。私もまた、毎日必死に詰めこんでいく。

──隊長が殺されかけ、二日後の昼過ぎ、指名手配犯ノエル・チェルクェッティの手助けにより、爆弾魔(ボマー)が脱獄したというニュースが入った。

第二刑務所は派手に燃え、怪我人も多いらしい。死人が出ないか心配だが、きっと大丈夫だろう。

──その数日後、つい最近閉鎖された洞窟に爆弾魔(ボマー)一同が乗り込み、派手に爆破させたとのニュースが入った。

正しくは、『爆破するために』乗り込んだのではないかもしれないけれど、ラプラスは大混乱だった。

出来ること→←出来ること



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅ゆずりは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。