検索窓
今日:26 hit、昨日:25 hit、合計:13,912 hit

出来ること ページ25

「(あまり寝れなかったな)」

ベッドから体を起こし、身支度を始める。昨日の治療の後に思ったことが頭から離れず、なかなか寝つけなかったのだ。眠いけれど、今日も勉強がある。

今日もお師匠の元に向かい、悪魔薬学を学ぶ。

あと少しだ。もう少しで、すべてを学び終えることができる。その前にお師匠が…… 大変なことに(・・・・・・)ならないと良いが。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「じャあ、今日ハこれで終ワりかな」

「はい…… ありがとうございました」

そそくさと地下室を出て、自室に戻ろうとした。が、何だか外が騒がしい。パトカーが大量に出動するようだった。

「カルヴィ!」

突然、同僚に呼び止められた。確か、ジーノ管理官の部下の一人だ。

「何でしょう?」

彼は私の質問には答えず、いきなり腕を掴まれた。

「ちょっ……」

無理やり引っ張られ、そのまま外に連れていかれた。パトカーの助手席に乗せられ、そのまま発進させた。

「……いきなり何を……!」

「カルヴィ、落ち着いて聞け。

────ドレッセル隊長が、大悪魔にやられた」

どくん、どくん。うるさい音が聞こえる。

──私の心臓の音だ。

ああ、昨日の嫌な予感が、当たってしまった。

「何故かジーノ管理官がお前も連れてこいとおっしゃってたからな、時間もないから突然連れ出した。悪かったな」

私が呼び出された訳を聞く余裕なんかない。

「隊長は……!? 隊長は無事なんですか!!」

「分からない。だからできるだけ急ごう」

その人は、法定速度をしっかり守ってる。警察官だから当たり前と言えば当たり前だが、緊急事態だから急いでくれないだろうか。

「くそ、仕方ないな。急ごう」

彼はパトカーのサイレンを鳴らし、速度を急加速させた。私の表情を汲んでくれたらしい。そのことに微かに、感謝した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

パトカーを走らせること十数分。列車沿いの、少し開けたところに着いた。血溜りがいくつかある。一番大きなものの真ん中には────隊長が倒れている。

途端、頭の中が白で埋め尽くされていくのを感じた。

「ここだ、カルヴィ。もう降りて──」

オスカーさん(・・・・・・)!!!」

出来ること→←無口な対話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅ゆずりは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。