出来ること ページ25
「(あまり寝れなかったな)」
ベッドから体を起こし、身支度を始める。昨日の治療の後に思ったことが頭から離れず、なかなか寝つけなかったのだ。眠いけれど、今日も勉強がある。
今日もお師匠の元に向かい、悪魔薬学を学ぶ。
あと少しだ。もう少しで、すべてを学び終えることができる。その前にお師匠が……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「じャあ、今日ハこれで終ワりかな」
「はい…… ありがとうございました」
そそくさと地下室を出て、自室に戻ろうとした。が、何だか外が騒がしい。パトカーが大量に出動するようだった。
「カルヴィ!」
突然、同僚に呼び止められた。確か、ジーノ管理官の部下の一人だ。
「何でしょう?」
彼は私の質問には答えず、いきなり腕を掴まれた。
「ちょっ……」
無理やり引っ張られ、そのまま外に連れていかれた。パトカーの助手席に乗せられ、そのまま発進させた。
「……いきなり何を……!」
「カルヴィ、落ち着いて聞け。
────ドレッセル隊長が、大悪魔にやられた」
どくん、どくん。うるさい音が聞こえる。
──私の心臓の音だ。
ああ、昨日の嫌な予感が、当たってしまった。
「何故かジーノ管理官がお前も連れてこいとおっしゃってたからな、時間もないから突然連れ出した。悪かったな」
私が呼び出された訳を聞く余裕なんかない。
「隊長は……!? 隊長は無事なんですか!!」
「分からない。だからできるだけ急ごう」
その人は、法定速度をしっかり守ってる。警察官だから当たり前と言えば当たり前だが、緊急事態だから急いでくれないだろうか。
「くそ、仕方ないな。急ごう」
彼はパトカーのサイレンを鳴らし、速度を急加速させた。私の表情を汲んでくれたらしい。そのことに微かに、感謝した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
パトカーを走らせること十数分。列車沿いの、少し開けたところに着いた。血溜りがいくつかある。一番大きなものの真ん中には────隊長が倒れている。
途端、頭の中が白で埋め尽くされていくのを感じた。
「ここだ、カルヴィ。もう降りて──」
「
20人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ