検索窓
今日:25 hit、昨日:25 hit、合計:13,911 hit

爆弾魔 ページ21

彼は何を言っているのだろうか。思わずちゃんと向き直り、眉をひそめる。

「違います。私は薬師見習い」

「……ふーん」

「それだけですか?」

「まあな」

結局、爆弾魔(ボマー)は何がしたかったのだろうか。私は、独房を出て、警察署に帰った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「(今日も疲れたなぁ)」

今日のぶんの悪魔薬学を学び終え、部屋に戻る途中、オスカー隊長を見かけた。なんだか気まずく、すぐ曲がり角に隠れた。

それでも尚様子を伺ってみると、ジーノ管理官が、隊長と何かを話していた。隊長は深刻な面持ちで、頷いたり話をしている。何か深刻なことがあったのだろうか。

「じゃあ、そういうことで。……いいわね? オスカーちゃん」

「はい」

会話は終わったらしく、二人は去っていった。何かの作戦会議だろうか。

推測してみようと思い、寮に戻りながら、最近のことをまとめてみる。

一昨日、爆弾魔(ボマー)が逮捕された。まだ名を持たない魔人 ノエル・チェルクェッティと、大悪魔カロンにやられたとの事だ。

──隊長は、爆弾魔(ボマー)の事を、自分でどうにかしたいと言っていた。それなのに、爆弾魔(ボマー)は逮捕されてしまった。

こだわりが強い隊長の事だ。それなら…… 隊長が取り乱すのも頷ける。

「(これから、どうなるんだろう)」

そんなことを考えながら、部屋の扉を開けた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

爆弾魔(ボマー)の治療を終えて、今日で十数日が経つ。

私はというと、悪魔薬学に関してはかなりの知識を蓄えることができた。あともう少しで、完璧な悪魔薬師になれる。今日もお師匠の元に向かい、日々勉強あるのみだ。

一方、ラプラス警察署はかなり忙しくなっているらしく、本部は毎日慌ただしい。心なしか、廊下ですれ違い様にぶつかられることが増えた気がする。

隊長は…… 時折見かけることがあったものの、常に深刻な表情をしており、とても声をかけられる様子ではなかった。

それに、お師匠の様子もおかしい。咳き込む事が増えた上に、昨日なんて、ほんの僅かではあるが血も吐いていた。グーフォも、その事に関して何も言わない。

何となく、何かが、動き始めている。

無口な対話→←爆弾魔



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅ゆずりは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。