爆弾魔 ページ21
彼は何を言っているのだろうか。思わずちゃんと向き直り、眉をひそめる。
「違います。私は薬師見習い」
「……ふーん」
「それだけですか?」
「まあな」
結局、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「(今日も疲れたなぁ)」
今日のぶんの悪魔薬学を学び終え、部屋に戻る途中、オスカー隊長を見かけた。なんだか気まずく、すぐ曲がり角に隠れた。
それでも尚様子を伺ってみると、ジーノ管理官が、隊長と何かを話していた。隊長は深刻な面持ちで、頷いたり話をしている。何か深刻なことがあったのだろうか。
「じゃあ、そういうことで。……いいわね? オスカーちゃん」
「はい」
会話は終わったらしく、二人は去っていった。何かの作戦会議だろうか。
推測してみようと思い、寮に戻りながら、最近のことをまとめてみる。
一昨日、
──隊長は、
こだわりが強い隊長の事だ。それなら…… 隊長が取り乱すのも頷ける。
「(これから、どうなるんだろう)」
そんなことを考えながら、部屋の扉を開けた。
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私はというと、悪魔薬学に関してはかなりの知識を蓄えることができた。あともう少しで、完璧な悪魔薬師になれる。今日もお師匠の元に向かい、日々勉強あるのみだ。
一方、ラプラス警察署はかなり忙しくなっているらしく、本部は毎日慌ただしい。心なしか、廊下ですれ違い様にぶつかられることが増えた気がする。
隊長は…… 時折見かけることがあったものの、常に深刻な表情をしており、とても声をかけられる様子ではなかった。
それに、お師匠の様子もおかしい。咳き込む事が増えた上に、昨日なんて、ほんの僅かではあるが血も吐いていた。グーフォも、その事に関して何も言わない。
何となく、何かが、動き始めている。
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