爆弾魔 ページ18
隊長が運転するパトカーに揺られること数時間。
私はぼんやりと窓の外を眺めていただけだったが、気づけば、郊外にあるラプラス第二刑務所に着いていた。検問を通り、駐車場で降りる。
ここは、壁にもコンクリートにも所々銃弾の跡があるのが見えた。……噂で聞いたことがある。
ラプラス第二刑務所──通称・ “ 帰らずの檻 ” は、ヤバイ所だと。
看守らが平然と囚人を虐待しているだとか、地下深くにある監獄には、魔人を収容するための特別独房があるとか。
だから、
お師匠は深くフードをかぶり、なるべく姿が見えないように歩く。ちなみに、グーフォは来ていない。
私もなるべく顔を隠しつつ、後に続いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カン、カンと、階段を降りる音が響き渡る。ここは地下だ。
水滴が落ちるせいで湿っぽく、カビ臭いここは、不潔だ。いるだけで気分が良くなくなってしまうだろう。だけど、淡々と歩く。
多少曲がりくねった道を一番端まで着くと、独房の中に確かにいた。緑色の服を纏う
お師匠はちらりと私を見ると、共に独房の中に入るよう促した。お師匠の後ろにつくが、先に入ったのは隊長だった。管理官は、扉の前で待機している。
お師匠は
……骨が多く折れているらしい。話は聞いていたが、実際に目の当たりにするとかなり酷い有り様だ。私は、懐からいくつかの薬や包帯を取り出す。
「じゃア、始めようか。僕の指示通リにやっテくれ」
「はい」
指示通り、まず傷口を消毒をし、裂傷には軟膏を塗り、包帯を巻く。骨が折れている所は固定し、動きにくくする。
念のため隊長もいるのだが、暴れずにおとなしく治療を受けていた。暴れる元気もないのだろうか。
身体の治療を一通り終えると、今度は粉薬を手に取る。
20人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ