・ ページ10
・
こういう時の表情は
兄弟一緒だなとクスクス笑っていると
アキラさんがカウンターから出て来て
私の前に立った
また怒られるかと
体を小さくしてその顔を見上げても
アキラさんは何も言わない
じっと私を見つめるだけ
「…また来てくれる？」
『…ん…』
「それどっち？」
正直、
アキラさんの料理はまた食べたいと思う
でも本来隆二がいる場所に
アキラさんがいるというのが
やっぱりなんとも寂しくて
アキラさんの料理を食べる度に
今日みたいに
とてつもない寂しさに襲われるのかと思うと
どうしても気が進まない
それに「どっち？」
と言われただけで
なんだかアキラさんに叱られた気分になって
また更に身を縮めてしまう
「じゃあー…
寂しくなったらまたおいで？
寂しさ吹っ飛ばすスゲーの作るからさ」
隆二の事なんて忘れさせてやる
と言われると
そんな事して欲しくはないけど
隆二がいない寂しさだけを
吹き飛ばしてくれるなら
恐る恐る頷くと
愛おしそうに頬を撫でられた
お店の中にはたくさんお客さんがいるし
その仕草にドキドキして息が止まりそうになる
それと同時に
またどうしようもなく寂しくなった
私の頬を撫でて
気分を落ち着かせてくれるのは
隆二の役目だから
同じ事をされると
だんだん隆二の温もりが消えていきそうで
怖くなる
だからそこにだけは
触れて欲しくなかった
『…ごちそうさまでした、
直己さんもここで大丈夫ですよ』
「いーよ、上まで送る」
いつまで経っても私の前からいなくなろうとしないアキラさんの後ろから
ツンと口を尖らせた臣くんが顔を出す
「連絡する」
『うん、おやすみ』
ごちそうさま、じゃなくて
おやすみ、と言っただけなのに
臣くんは勝ち誇ったかのように
後ろからアキラさんを覗き込んだ
「行こうか」
『はい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yk.ta(プロフ) - kotaさん» なんと！こんなに更新していないというのにコメントありがとうございます！実は完結まで作ってはいるのですが…なかなかアップせずすみません！ (2020年8月28日 19時) (
レス) id: 5491111c6a (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - 久しぶりに読ませて頂きました。新型ウイルスで世界中が大混乱ですね。旅行を中止にして、夏休みはオウチでゴロゴロ。大好きな隆二三昧しようとライブ映像観て、写真集見て、隆二のお話読んでを満喫しています。ダンナと子どものお世話は合間です(^_^; 続き待ってます！ (2020年8月15日 0時) (レス) id: 8448788f30 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 私の地元大阪蒸し暑くなったりするから大変です(/≧◇≦＼) (2019年9月13日 19時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
yk.ta(プロフ) - ユキさん» 哲也くんまだ良くならないんですねー涙 (2019年8月28日 7時) (レス) id: e7b46424dc (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 今年はカウントダウンライブEXILEとsecondと三代目とランペとファンタが出ますね私は福岡ドームは遠いから行けないです(´；ω；｀)テッチャン足の怪我治りますように(*-ω人) (2019年8月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yoko
| 作成日時：2019年7月5日 9時
