quartetto. 6

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「隆二さんの幼馴染さんですよね？」











今時の若い子は
幼馴染にすら「さん」を付けるのかと
変なところを感心しながら
恐る恐る『はい』と答える












この子は私の事を知っているんだ




まぁあれだけ隆二がいる日にお互い来ていれば
顔くらいは知っているんだろうけど










今までの隆二との出来事すべてを
見られていた気分になって










その後彼女から何を言われるのか
少し怖くなった















「いつもお店で見かけてたんです
隆二さんがいない日も来るんですね」














ニコリと笑いながら
一歩私に近付いた彼女











特に大きな意味はないような会話だし
彼女も可愛らしい笑顔を向けてくれているのに
なんだか嫌味を言われた様な気分になるのは









私がこの子を
ライバル視しているからなんだろうか











お腹の中がもやもやとしてしまう中
必死に笑顔を作って
彼女からの問いかけに頷くと












「俺の親友だからね」


「あと、俺の好きな人だから」











カウンターの中の2人が
余計な事を言ったせいで
彼女はポカンとしている













『あ、臣くんとも仲良いから』


「そうなんですね」












そう言いながら
彼女は私の横に座りだして
ますますお腹の中がもやもやした










まだこれ以上この子と
何かを話さなければいけないのだろうか











カルテットでは
ここで知り合った色んな人と
話をして来たつもりだったけど













今までの緊張感とは違う
なんとも言えない嫌悪感が私の中を埋め尽くす

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