quartetto. 5

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ごめんと謝った割には
その後の行動が全く伴っていない
















『それ、ズルイ』


「なんで？」


『そんな事言われたら…』














勢いよく跳ね返す事も出来ない
















「お前さぁ、気を付けろよ？」


『…何が？』


「俺じゃなかったら一瞬で食われてるぞ
だからちゃんと俺の側にいて」
















私がそうならない為に
隆二は私の事を臣くんに託した






じゃあその臣くんからは
誰が守ってくれるんだろう










今までずっと守り抜いてくれていた
隆二は今








いない













『こんな事するならもう会いたくない』


「わーかった、しないから」


『絶対ね』


「んー、多分」


『ダメ、ちゃんと言って』


「分かったって」


















口を尖らせて臣くんを睨みつけると
呆れた様に笑いながら
やっと約束してくれた















『親友やめちゃうからね』


「やめて困るのAだからね」


『…んー、ズルイ』


「俺の勝ち」















「親友」という弱みに付け込まれた様で
なんだかとても気分が悪い



















「じゃあ気をつけて帰ってよ」


『ありがと』


「また店でな」


『…行かないかも』


「じゃAんち行くわ」


『分かった、お店行く』


















隆二とは口喧嘩で負けた事はないのに
臣くんには何を言っても勝てそうにない






諦めて車に乗り込み、エンジンをかけた

















「好きだよ」


『…いい加減にしないと隆二に言いつけるよ』



















ドアの向こうで
ペロッといたずらに舌を出す臣くんに手を振って
車を走らせた

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