quartetto. 5

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アキラさんと健二郎さんは
いい方向に話が出来たのか

それとも何か気が合ったのか

私達2人を間に挟んでも
終始楽しそうに話をしている









これからもずっと
こんな風にアキラさんが隣にいても

何も感じずに和やかに話が出来るといいのにな
そう思っていると




隆二が突然真面目な顔で臣くんに話しかけた













「臣、Aの事頼むね」


「…なんだよ、急に」


「臣は誰の事も傷付けないから
Aの事も…俺も」











さっきも臣くんに対して
ありがとうと言ったばかりだから

臣くんは少し煩わしそうに
「分かってるって」と返しているけれど


でも今改めて臣くんに伝えた隆二の言葉の意味が
私には分かった









それは私の隣にアキラさんがいるから










隆二が私のそばにいられない間
私の事を守って欲しいと臣くんに伝えながら


隆二がいなくても
私を守る存在がいる事を
アキラさんに分からせる為











「大丈夫だよねー？
俺もいるし、ね？Aちゃん」










多分アキラさんもその言葉の意味を理解してる










私に話しかけるアキラさんを見て
「そういうことね」と臣くんも理解したらしい











「大丈夫、任しとけ」














もしかしたら今までの中で
今のこの状況が1番「カオス」という言葉が
ピッタリなのかも知れないけど


もうそんなの恐れちゃいけない









隆二がイタリアに発つまで
その愛情を心いっぱいに溜め込んで


少しだけその力が足りなくなった時は
臣くんの穏やかな笑顔で






それだけで私は笑顔でいられるはず








その私の笑顔で
隆二がイタリアで感じてしまう不安も全部
吹き飛ばしてやるんだから











『大丈夫だよ、隆二
ねっ臣くん』


「なっ親友」











アキラさんは少し不思議そうな顔をしているけど
そんなのどうだっていい










私と隆二と臣くんで笑いあえる
それだけで十分だから

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