quartetto. 5

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そんな事をボーッと考えていると
無意識にアキラさんを見続けていた様で
反対の隣から
頬をつんつんと突かれた














「俺を見ろ」


『すいません…
じゃなくて、プラネタリウム見るの』














届いたコーヒーを飲んで
しばらく経たないうちに
プラネタリウムの上映が始まった







直己さんは
思っていたのと違うと言っていたけれど



小さい頃に見た以来のプラネタリウムは
私にとってはとても幻想的で
その綺麗さに見惚れてしまった













普段あまり夜空を見上げる様な事もしない



でも私達が住むずっと上
スモッグや雲で隠れたそのずっとずっと先に

こんな風に星が広がっているんだ





本物の夜空は
プラネタリウムの様に
星の点を線で繋いだ形を成してはいないけれど





天文学者は
どんな事を考えながら
この無限に広がる宇宙の
この小さな点と点を結んでいったんだろう









改めて考えると
私にとっては不思議な事だらけで
ただひたすらに頭上の景色を眺めた











ぼーっと上ばかりを見ていると
突然手をキュッと静かに握られて
びっくりして体がびくんと揺れる




目を見開いたまま
その手の先にある顔を見ると




ニヤリと笑っているアキラさんがいた













「Aちゃん口開いてる」


『あ…うそ、恥ずかしい』














繋がれた手からして
臣くんじゃないのは分かったけれど



いざ顔を見て
その相手がアキラさんだと再認識すると
急にその手が熱を持った様に熱くなって
思わずその手を振り解いてしまう






アキラさんは何事もないかの様に
平然としていて

ちょっとイタズラな笑顔を向けてくれる











「こーゆーの好きなの？」


『プラネタリウム久しぶりだから
楽しくて、つい』


「俺、星とか全然疎いからさぁ
何ならちょっと飽きてきたくらいだし
そんな風に真剣に観れるの凄いわ」


『じゃあー、アキラさんは何が好きなんですか？』


















「んー。」と
プラネタリウムを見上げながら
質問の答えを考えているアキラさんを
じっと見つめていると



またしても横からつんつんと頬を刺される

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