quartetto. 5

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またいつもの様に
仕事帰り疲れた体で
今日1日で溜まったストレスと一緒に
カルテットに行くと

今日もまたいつもの様に
直人さんがほろ酔いでカウンターに座っている













「最近良く会うねぇ」


『…直人さんって、もしかして毎日？』


「ほぼね、そんなとこ」











独身男性は寂しいんだよー、
とハイテンションな直人さんに
笑わせてもらいながら



今日も隆二の美味しいご飯が食べられて
気付けば1日のストレスも
どこかへ吹っ飛んでしまっていた











そろそろお客さんも疎らになってきた頃
奥のテーブル席のグループが
帰る支度をしてガヤガヤし始めた











「あのー…隆二さん今忙しいですか？」
















聞き覚えのあるその声に振り向くと
数人の女の子の先頭に立つのは
隆二に想いを寄せているあの子だった














「ちょっと待ってね」












臣くんがキッチンの中の隆二に声を掛けると
隆二がひょこっとキッチンから
顔を覗かせ
その子に向けてニコリと笑顔を見せた










「ごちそうさまでした」


「こちらこそ、いつもありがとう」











後ろの子達も
その子が隆二を好きだという事は
知っているんだろう

隆二をチラチラ見ながら
何か話をしている












「実は俺、来週から半年いないんだ」


「えっ？！」











今ここで初めて
隆二がしばらくいなくなる事を聞いたらしい
その子は
少しテンション高めな声を出しながら
「寂しい」とか「どうしよう」と
困っている

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