quartetto.

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隆二じゃないけれど
それはその時が来るまでは考えないようにしておこうと思っていたのに











仕方がないので、海を見ながらうーん。と考える













『帰るってどこに？』


「知らねーよ
Aんちかアキラさんちじゃないの？」


『いやーウチはダメでしょ』












不安そうな声から今度は少し不機嫌そうな声になっている隆二の顔をチラリと見ながら











『だって私の家はもう隆二の家みたいなもんじゃん』













そう言うと今度は少し嬉しそうな
「そっかぁ」
という声と共に漏れる へへ。といつもの笑い声











なんだか今日の隆二は忙しいな。















自分で言っておいてから
それなら…と、ふと考えた












この綺麗な景色を見ながら目覚めたいと今日ここに泊まる事にして
これから泊まる時は朝バタバタしないように
隆二の家にも私のものを少し置いておこうと

さっき2人で買い物をしながら
そう話していたばかりなのに













『隆二の家も誰か女の子来るかも知れないもんね』













いつかそうなってしまうのなら
無駄に私のものを置いておくのは悪い気がした











私達に恋人が出来たら
この今の生活スタイルは変えなければいけないから






そんな事あるとしても、
多分ずっと先の話だと思っていたのに
妙に考えさせられる










変わってしまうのが想像出来ないけれど
無理に想像しようとすると
なんだか寂しいと思ってしまう













「俺んちは大丈夫だよ」


『どうして？』


「A以外の女の子は入れないもん」













視線を海のずっと向こうに投げかけている隆二














『…ねぇ好きな人できたの？』


「は？なんで」


『私でその子口説き落とす練習してない？』














そう聞くと隆二はゲラゲラと声を出して笑う



そんな変な事聞いたかな
それくらい今日の隆二の行動はいつもと違うから聞いたのに













「練習じゃないよ」













私の頭をポンポンと叩きながら隆二は部屋の中に入っていった

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