quartetto.

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私がいる前で堂々と幼馴染自慢をする隆二も想像出来ないし、昔話をするのは良いとしても




料理が上手だと
隆二に褒めてもらった事はない気がする


出したものは全部食べてくれるけど、
たまにダメ出しをされる時もあるし
盛大に喜んでくれた事もないと思っていた


他人に料理が上手いと自慢するくらいなら、もっと私に直接褒めてくれればいいのに








というか、それよりも









『話を聞いてたって事は…
私の愚痴も聞いてたって事ですよね？
うわぁ…恥ずかしい…』









気を許している隆二や臣くんだから
ポロっと本音が出て弱音を吐いたり、愚痴をこぼしたり出来ていたのに、
それを今まで話した事も無かったアキラさんに聞かれていたのだと思うと、恥ずかしくて顔から火が出そうになる









「大変そうだなーって思ってた
今日もなんか隆二と広臣が心配そうにしてたけど、なんかあったの？」


『…ん〜まぁ、いつも愚痴ってる様な事ですよ
大したことじゃないです』









この若さでお店を何店舗も持つヤリ手社長のアキラさんに、しがない会社員の私の愚痴を聞いてもらうだなんて畏れ多いし、
いくら少し打ち解けたとはいえ、初めて2人で飲む人に愚痴を溢すのは大人として良い事だとも思わない


それに何故だか分からないけど、
会社を出た時から、今日のお局様にズバッと言ってやった事は、隆二に1番に話したいと思ってしまっていた



なんとなく隆二が私にしてくれたバリアのおまじないのお陰だと感じているから









「なんかあったら俺にも聞かせてよ」









その言葉に、笑顔で頷いたけれど
私の愚痴なんか聞いてアキラさんは楽しいのだろうか
部下達の教育の為に役立ったりするのかな









でもアキラさんの様な今時の企業の社長さんに相談したら、どんな答えが返ってくるのだろうと少し興味も沸いた

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