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今日は朝から一日雨予報で。この時期にしては珍しく、バタバタと音を立てる雨が降り続いていた。
まだ17時前だというのに、外は薄暗い。
「今日はこのままお客さん少なそうですね」
外を眺めていたからか、私の脇を通りかかったスタッフに声を掛けられる。
「そうですね。朝から雨だし、雨宿り代わりに寄ってくれる人も少なそうですよね」
あえてまた窓から覗き込むように空を見る。
等間隔に並んだ小さな窓では、大きな雨粒に遮られて外の様子など大して見えない。
せめて忙しければ余計なことを考えなくて済むのに、と溜息がこぼれた。
深澤さんに探られるような目を向けられて、逃げるように店を出た。スコーンを握りしめたまま。
ふいに震えたスマホを、無意識に開いてしまってから後悔した。
〈気を付けて帰ってね。Aちゃんに会えて、俺は嬉しかった。困らせたことは認めるけど謝る気はしないかな。またね〉
ただ強引だけの人だったらちゃんと拒否できるのに。
この曖昧な優しさに振り回される。悔しい。
返信なんてしないまま鞄にスマホを突っ込んだ。
ブブッともう一度、鞄ごと主張するそれに、若干の苛立ちを覚える。まだ何か言いたいことがあるのなら、まとめて見てやろう。
そんな気持ちで勢いに任せて引っ張り出し、いつもより強めに画面を親指で叩く。
〈元気にしてますか？〉
様子の違う文面に一つ拍動が強くなる。本文から視線を上に向ける。この文字も見なくなって2週間が経っていた。
ラウール
私は左手にスマホを、右手にスコーンを握りしめたまま、暫く立ち尽くした。
一層、音の強くなった雨粒で我に返った。
ディナーの時間が半分過ぎて、ピークの時間になっても客席はまばらだった。来る人、来る人、どこかしらが濡れていて居心地が悪そうに見えた。
出来る限り体を冷やさないよう空調に気を遣って、酷く濡れている人にはタオルを貸し出した。
この分だと、自分達が帰る時にもある程度は覚悟して外に出る必要がありそうだ。
客席の様子を見ながら、早めにクローズ準備の指示を出す。時間が来たら最低限の片付けでみんなが帰れるように。私も先にあらかた事務作業を終えておこうとスタッフルームへ向かった。
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ありぃ(プロフ) - shirataman104さん» 前作に続きコメントありがとうございます！19歳のうちに完結する予定だった彼はリアルでハタチになってしまいました^^; お言葉に甘えてのんびり頑張ります！読んでくださっている方がいるのだと実感すると、やる気エンジンがかかります 笑 (7月27日 21時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
shirataman104(プロフ) - 前回も読ませていただき、今回も素敵な作品、じっくりと読ませていただいております^ ^ありぃ様のペースで、ゆっくりでもいいです！楽しみに続きを待っています^ ^ (7月27日 2時) (レス) @page48 id: 691ddf008e (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - lapis0216さん» コメントありがとうございます。まだまだ進展しない関係で楽しめているかな？と不安になっていたので、そう言っていただけてとても嬉しいです^^ これからもよろしくお願いします！ (2022年7月2日 23時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
lapis0216(プロフ) - ドキドキしながら読み進めております(^^)更新、楽しみにしています！！ (2022年7月2日 23時) (レス) @page16 id: 597be45ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2022年6月9日 14時
