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「急な話だったのに、すぐに来てくださってありがとうございます。仕事の内容はそう大差ないはずなので」
「短い期間ですが、よろしくお願いします」
似ているようで似ていない、初めて入る系列店で私は頭を下げた。
「え？ヘルプ、ですか？」
数日前。店長に呼び出されたと思ったら、予想外なお願いだった。
「長くて１ヶ月らしいんだけど、行ってもらえないかな？」
近くにある系列店の社員が急病で出勤できなくなり、店が回らなくなってしまった、という話だった。比較的うちの店はバイトの人数が充実しているから、1人欠けても問題ないと店長が判断したらしい。
見慣れない店の内装を見回しながら、あの時申し訳なさそうにお願いしてくる店長の顔を思い出して、少しだけ笑いそうになる。
やれることは精一杯やろう。余計なことを考える頭はしばらく休ませよう。
「店内、一通り説明しますね」
その声に我に返り、後ろをついていった。
〈どう？うまくやれそう？〉
就業後にスマホを開くと、深澤さんからメッセージが届いていた。
〈みなさん良い人達なので、助けられてます〉
系列店とはいえ、知らない店とスタッフに囲まれて身を固くしていたから、ホッとするような相手ではないはずなのに肩の力が抜けた。
〈Aちゃんいなくて寂しいな〜〉
また…、と今度は眉間に皺が寄る。スマホをロッカーの中に放って、帰り支度をしようとシャツのボタンに手を掛けた。視界の先で再び明るくなった画面と同時にスマホが短く震える。迷ったけれど、もう一度手に取って通知をタップした。
〈ラウから連絡あった？〉
意図することが文字からでは伝わりきらない、深澤さんからのメッセージ。
〈特には。何でですか？〉
今度はトーク画面を開いたまま、次に送られてくるであろう内容を待った。
〈ラウも今バイト休んでるんだよね〉
〈定期テストに集中したいんだって〉
〈おかげでこっちも手が足りないから困ってるのよー〉
短い文が次々と現れる。
〈だから早く戻ってきてね〉
単純にスタッフとして必要とされていることを感じられるのは嬉しくて、じんわりと胸があたたまる。
それからラウくんとの、最後にしたやり取りを思い出した。あの早朝の…。それが最後になっていた。
だけど、こうやって突然思い知らされてしまう。日常の些細な話をするほどの関係にはなかったのだということを。ラウくんの大学生活を始めとする私生活のことを、私はほとんど知らなかった。
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ありぃ(プロフ) - shirataman104さん» 前作に続きコメントありがとうございます！19歳のうちに完結する予定だった彼はリアルでハタチになってしまいました^^; お言葉に甘えてのんびり頑張ります！読んでくださっている方がいるのだと実感すると、やる気エンジンがかかります 笑 (7月27日 21時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
shirataman104(プロフ) - 前回も読ませていただき、今回も素敵な作品、じっくりと読ませていただいております^ ^ありぃ様のペースで、ゆっくりでもいいです！楽しみに続きを待っています^ ^ (7月27日 2時) (レス) @page48 id: 691ddf008e (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - lapis0216さん» コメントありがとうございます。まだまだ進展しない関係で楽しめているかな？と不安になっていたので、そう言っていただけてとても嬉しいです^^ これからもよろしくお願いします！ (2022年7月2日 23時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
lapis0216(プロフ) - ドキドキしながら読み進めております(^^)更新、楽しみにしています！！ (2022年7月2日 23時) (レス) @page16 id: 597be45ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2022年6月9日 14時
