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今夜に限っては、考えないでいることのほうが無理だった。彼女の柔らかな笑みがこびりついて離れない。いっそのこと嫌味の一つでも言いたくなるような人だったら良かったのに。
私はあの時、本当に上手く笑えていただろうか。
目を瞑っても開けても思い出すのは同じ場面。焦点の定まらない目で、規則的に膨らんだり萎んだりする漂いを眺める。放り投げてしまいたい気持ちと、どこにも行けない想いがぐちゃぐちゃに入り混じっていく。
私にとって、深澤さんは最初から特別だった。
指導係だったのもあって、ほとんどの時間を一緒に過ごした。失敗しても「次に繋げればいい」って、優しく見守ってくれる度に胸が高鳴った。
どうしたら後輩じゃなくて、異性として意識してくれるのか、仕事をしながらいつも頭の片隅ではそんなことばかり考えていた。
すっかり独り立ちをして、仕事をするようになって暫く経った頃。珍しく深澤さんからご飯に誘われた。指導してもらっていた時は、反省会も兼ねて行くことはあったけれど、お互い関係に呼び名が無くなってからは初めてだった。淡い期待を寄せて私は頷いた。
深澤さんのことをもっと知りたくて、私のことにも興味を持ってほしくて、お酒の力も借りてたくさん話した。
お酒に弱い深澤さんも珍しく何杯か飲んでいて、私と一緒にいる時間が楽しいんだと思った。少し呂律の回らなくなった彼が、一段と蕩けた目線を向けてきて、
「Aちゃんって、ほんと可愛いね」
なんて言って頭を撫でるから、私はもう何もかも我慢できなくなってしまって。
「深澤さんのことが好きです」
想いを言葉にした。
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ありぃ(プロフ) - shirataman104さん» 前作に続きコメントありがとうございます！19歳のうちに完結する予定だった彼はリアルでハタチになってしまいました^^; お言葉に甘えてのんびり頑張ります！読んでくださっている方がいるのだと実感すると、やる気エンジンがかかります 笑 (7月27日 21時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
shirataman104(プロフ) - 前回も読ませていただき、今回も素敵な作品、じっくりと読ませていただいております^ ^ありぃ様のペースで、ゆっくりでもいいです！楽しみに続きを待っています^ ^ (7月27日 2時) (レス) @page48 id: 691ddf008e (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - lapis0216さん» コメントありがとうございます。まだまだ進展しない関係で楽しめているかな？と不安になっていたので、そう言っていただけてとても嬉しいです^^ これからもよろしくお願いします！ (2022年7月2日 23時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
lapis0216(プロフ) - ドキドキしながら読み進めております(^^)更新、楽しみにしています！！ (2022年7月2日 23時) (レス) @page16 id: 597be45ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2022年6月9日 14時
