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Raul side
扉の開く音がして、いらっしゃいませ、と振り返ったと同時に「あ…」と声が漏れた。
いつもAさんに会いに来る人だ。
でも生憎、今日はAさんのシフトは休みだ。
その男はぐるりと店の中を見回している。
席へ案内してメニュー表を渡した。
この人は確か、いつも軽めの料理とお酒を一杯頼んで、それからタイミングを見てAさんに話かけて、あまり長居はしないで帰っていく。
見た目はAさんと同じか少し上くらいの年齢っぽく見えて、いつもスーツだから仕事帰りなのかもしれない。
ちょっとだけ笑った感じがふっかさんに似ているような、優しそうな雰囲気。
悪い人では無さそうだけど…。
この人のほうが俺よりAさんのことを知っているのかもしれないと思うと、胸の奥がモヤモヤした。
「どした？何か気になる客でもいた？」
ふっかさんに声を掛けられて、ずっと見ていた視線を隣へ向けた。
「いや…」
なんと言うべきか迷って、また視線をその男へ向ける。
「…もしかして、あのカウンター席にいる人のこと？」
「ふっかさん知ってるんですか？」
「Aちゃん目当ての人でしょ。どんな奴かまでは流石に知らないけど。よく口説きにきてるもんね。てか、ラウって勘がいいんだな」
「たまたま、です」
Aさんのことを見てると思われるのも、ふっかさんがAさんとその男のことを知っているのも何だか気まずくて話を掘り下げることに躊躇する。
「何しに来てるのかも知ってんの？」
「え？Aさんに会う以外に目的があるんですか？ご飯食べに行くとか？」
「ははっ。まぁ、そうだな。知らないならそれでいいと思う。俺が話すことじゃないし。……Aちゃんのこと、気になってんの？」
「そういうんじゃ…」
「ラウくらい純粋な奴のほうが、今のAちゃんにはいいのかもな」
ポンッと背中を軽く叩かれて仕事へと戻される。
ふっかさんって、なんか掴めないな…。
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ありぃ(プロフ) - shirataman104さん» 前作に続きコメントありがとうございます！19歳のうちに完結する予定だった彼はリアルでハタチになってしまいました^^; お言葉に甘えてのんびり頑張ります！読んでくださっている方がいるのだと実感すると、やる気エンジンがかかります 笑 (7月27日 21時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
shirataman104(プロフ) - 前回も読ませていただき、今回も素敵な作品、じっくりと読ませていただいております^ ^ありぃ様のペースで、ゆっくりでもいいです！楽しみに続きを待っています^ ^ (7月27日 2時) (レス) @page48 id: 691ddf008e (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - lapis0216さん» コメントありがとうございます。まだまだ進展しない関係で楽しめているかな？と不安になっていたので、そう言っていただけてとても嬉しいです^^ これからもよろしくお願いします！ (2022年7月2日 23時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
lapis0216(プロフ) - ドキドキしながら読み進めております(^^)更新、楽しみにしています！！ (2022年7月2日 23時) (レス) @page16 id: 597be45ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2022年6月9日 14時
