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ユニフォームである白シャツの胸ポケットには、今日の待ち合わせ場所を知らせる紙が潜んでいる。
終業まであと30分。
何もないフリをして笑顔を作り、料理を運ぶ。
私の働くこの店は、昼はカフェ、夜はイタリアンのダイニングバーとして営業をしている。
割とアクセスの良い駅チカにあり、入口はアンティークオークの色をした浮き造り調のドアで、隠れ家のような雰囲気を演出している。
客層はSNS映えを狙って来店する女の子達もいれば、カウンターで1人の時間を過ごす人など様々だ。
うち以外にも５店舗ほど同系列の飲食店がある。
「Aちゃん、今日ラストまでじゃないのかぁ」
「今日は中番なんで。深澤さんはラストまでですよね」
「一緒にラストまでどう？」
「私は帰りますよ。無駄な残業はしません」
「ざんねーん。…あ、今日のアイシャドウの色味可愛いね？新しく買ったの？」
「…よく、気付きますね」
「まぁね。Aちゃんは何色でも似合うけど、その色も春らしくてよく似合ってる」
ふんわりとした笑みを残して「さぁて、仕事すっかぁ」と間伸びした気合いを入れた深澤さんは、この店の副店長であり…私の人生を狂わせた人。
ネットや雑誌から気になったカフェやバー、レストランへ行くことが好きで、趣味の一つでもあった。自分の店を持ちたいとか、大それた夢こそ描きはしなかったけれど、自分の気に入ったお店で働きたい。そんな些細な想いはあった。
けれど、そう上手い運命なんかどこにも転がっていなくて。気付けば就活で心も体も疲れ切ってしまっていた。
踵を鳴らして歩いていたはずのヒールは、いつの間にか地面を擦りながら歩いていた。
「疲れた…」
駅に向かっている最中、もう何もかもがしんどくなって立ち止まった先にあったのが、この『グァリジョーネ』。今、働いている店だった。
イタリア語で『癒し』という意味なのだと教えてくれたのは、深澤さんだった。
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ありぃ(プロフ) - shirataman104さん» 前作に続きコメントありがとうございます！19歳のうちに完結する予定だった彼はリアルでハタチになってしまいました^^; お言葉に甘えてのんびり頑張ります！読んでくださっている方がいるのだと実感すると、やる気エンジンがかかります 笑 (7月27日 21時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
shirataman104(プロフ) - 前回も読ませていただき、今回も素敵な作品、じっくりと読ませていただいております^ ^ありぃ様のペースで、ゆっくりでもいいです！楽しみに続きを待っています^ ^ (7月27日 2時) (レス) @page48 id: 691ddf008e (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - lapis0216さん» コメントありがとうございます。まだまだ進展しない関係で楽しめているかな？と不安になっていたので、そう言っていただけてとても嬉しいです^^ これからもよろしくお願いします！ (2022年7月2日 23時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
lapis0216(プロフ) - ドキドキしながら読み進めております(^^)更新、楽しみにしています！！ (2022年7月2日 23時) (レス) @page16 id: 597be45ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2022年6月9日 14時
