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Ren side
「今日はよろしくお願いします」
Aさんが挨拶をして、時間までに部屋の準備を整える。俺は入り口付近で配る資料や出席簿などを揃えていく。中をチラリと見れば、Aさんは岩本さんとパソコンを前に打ち合わせをしているようで。
思っていたより表情が穏やかなことに安心した。
「Aのこと、気になる？」
思いがけないところから声がして、ビクリとした。
「先輩か…。驚かさないでくださいよ」
「ごめんごめん。あまりにも見てるから気になっちゃった。で？どうなの？」
先輩はいつでもどこでも遠慮がない。けれど嫌味がないのがいい。
「どう…なんすかね」
どこまで知っているのか分からなくて曖昧に答える。
先輩は、ハハッと短く笑った。
「いい子でしょ。目黒のこと気になってるって聞いた時は私が調子に乗っちゃってさ。懇親会でのことは2人に悪かったなぁと思ってたんだよね」
「先輩っぽいっすね」
「Aは最初から目黒の真っ直ぐな性格に惹かれてたのよ。なのにアンタ、イケメン過ぎるから私もついついAに見た目勝負みたいなことさせちゃってさー」
先輩が話す中身に引っ掛かりを覚える。
「一つ聞いていいですか」
「ん？」
「俺、あの懇親会で初めてAさんに会ったはずなんですけど…」
「なんかカップルの仲裁に入ってた？とかなんかの時に偶然見かけて、その時の言葉の選び方とか振る舞いに惹かれたんだって。イケメンは嫌だとか言ってたAが惚れたんだからよっぽどなんだろうね。……あ。本人には内緒ね」
確信的な顔にも見えたけれど、あえて気付いていないことにした。
「あの時の…。でも、それで言ったら岩本さんのほうがいつでも堂々としていて、包容力もあってカッコイイと思いますけどね。俺はまだ社会人としての経験も浅いし…」
ついこの頃思ってることが口を衝いて出た。
「ほぉ〜？照のことを意識しちゃうんだ？」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
先輩はついにニヤニヤと笑い始める。
「いいじゃん、いっぱい悩むといいよ。誰か別の人の隣で笑っているほうが良いと感じるのか、自分自身で幸せにしたいと思うのか。それを決めるのは目黒だから」
中ではまだAさんと岩本さんが話をしている。コロコロと表情を変えて屈託なく笑っているAさんを見ると、俺にはそんな顔を見せてくれたことないのに…と、また言い知れぬ感情が胸を支配した。
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ありぃ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます！嬉しい言葉ばかりで感激しております。。。しかももう３回も読んでくださっているだなんて、感謝しても足りないくらいです。いつでもここの黒さんが癒しますので、またいつでも来てくださいね。こちらこそありがとうございました！！ (2021年12月19日 1時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
るる - めちゃくちゃ好きなお話でした。描写も細やかで、すごくイメージが出来ましたし、黒さんのセリフも絶妙でした。すでに３回読み返して、噛み締めております。素敵な小説を、ありがとうございます！！ (2021年12月18日 22時) (レス) @page33 id: 5db6c5f68c (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - まあさん» 初コメントいただけて感動しております…！ありがとうございます。説明文過ぎるかなぁとか、キュン要素はあるのか？とか自問自答しながら書いておりますが、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。お気遣いもありがとうございます！ (2021年12月11日 16時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
まあ - 登場人物がそれぞれ魅力的で人間味があって、いつも楽しく読ませていただいています。毎日更新が楽しみでもあり、ありぃさんの負担になりませんように、と思っています。 (2021年12月11日 9時) (レス) @page27 id: c7a497417a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2021年11月24日 23時
