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「あの時は全然そんな風に見えなかった」
どうやら同じ日のことを目黒くんも思い出していたらしい。
「それはそれで作戦成功ってことよ」
「こんなにサバサバ喋るんすね。こっちが素?」
「あー…まぁ、そうね。可愛く振る舞うのは苦手なほうかな」
「猫被る必要なんかないのに」
ようやく笑みが見えて、ドキッとする。
またそうやって、すぐ人の心を弄ぶんだから。…いや、目黒くんはそこまで考えないか。
「あのね、気になる人の前では猫なんて喜んで被るものよ。少しでも可愛いな、気になるなって思われたいのは女心の基本です」
「そういうもんなんすかね…」
あ、また難しい顔に戻った。
「もしかして、私のこと気になってきた?」
「え?」
「ギャップ萌えってやつ、してくれたり?」
結局可愛げなく攻めてしまうのは、自分が年上だからという厄介なプライドのせい。
「うーん……普通、かな」
ほら、やっぱり。
「手厳しいなぁー」
そう言って気にしない素振りで笑ってはみるけれど、彼をときめかせる人間でないと再認識させられて胸が痛む。
「でも、この前の時より断然今のAさんのほうが綺麗だなって思いました」
思い切って話し掛けて良かったです。と、軽く会釈をして去っていく目黒くんの後ろ姿を瞬きも忘れて追い続ける。
そうやって"諦める"という感情を与えてくれない。私の想い人は本当にずるい人だ。
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ありぃ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます!嬉しい言葉ばかりで感激しております。。。しかももう3回も読んでくださっているだなんて、感謝しても足りないくらいです。いつでもここの黒さんが癒しますので、またいつでも来てくださいね。こちらこそありがとうございました!! (2021年12月19日 1時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
るる - めちゃくちゃ好きなお話でした。描写も細やかで、すごくイメージが出来ましたし、黒さんのセリフも絶妙でした。すでに3回読み返して、噛み締めております。素敵な小説を、ありがとうございます!! (2021年12月18日 22時) (レス) @page33 id: 5db6c5f68c (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - まあさん» 初コメントいただけて感動しております…!ありがとうございます。説明文過ぎるかなぁとか、キュン要素はあるのか?とか自問自答しながら書いておりますが、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。お気遣いもありがとうございます! (2021年12月11日 16時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
まあ - 登場人物がそれぞれ魅力的で人間味があって、いつも楽しく読ませていただいています。毎日更新が楽しみでもあり、ありぃさんの負担になりませんように、と思っています。 (2021年12月11日 9時) (レス) @page27 id: c7a497417a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ありぃ | 作成日時:2021年11月24日 23時