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Ren side
翌日。
出勤して仕事の段取りを確認していると、視界の端で何やら慌てた様子でゴソゴソしている先輩が目に入った。
「あ！あったー！良かったぁ」
独り言ともつかない声量で発された言葉に思わず反応する。
「先輩、何か無くし物でもしてたんすか」
「あ、目黒。おはよー。そうなのよ、昨日帰りの途中でスマホがないことに気付いてさー。自分のデスクに置き忘れたんだろうとは思ったけど、見つけるまではやっぱり不安になるよね、こういうのって。ごめんね、朝から騒がしくしちゃって」
「見つかって良かったですね」と、返事したものの俺の頭の中は昨日のAさんの顔が浮かんでいて。
「タイミング悪過ぎだろ…」
仕事を始めるよりも早く社内メールの画面を開いた。
フォロー出来る自信はないけれど、とにかく助けにならなければと思った。
共同企画のメンバーの中では俺が一番仕事量に余裕がある。だからなるべく困らせないように、自分から動いてこっちの話をまとめておく。
多分、Aさんの感じだと先輩以外のメンバーとはほとんど面識がないようだったし。
そして夕方頃、Aさんがうちの部署にやってきた。
「朝からメールくれてたのに遅くなっちゃってごめんね」
「大丈夫っすか」
「もー、まさかスマホ忘れて帰ってたとはね。いくら待っても既読にならないからおかしいなぁとは思ってたんだけど」
「そうじゃなくて」
「ん？」
「先輩からの返信待ってて、あんまり寝てないんじゃないですか。顔、元気ない」
覗き込んで見ると、みるみる顔が赤くなっていく。
「ちょっと……そんな見ないで…」
抱え込んでいる資料で顔を隠された。
その様子を見てクスッと笑いが漏れる。
「笑ってるね…？」
「ごめんなさい、そんな反応してくれると思ってなくて」
「もー…相変わらず無自覚…」
Aさんの呟いた言葉はザワつきに混じって掻き消される。
聞き返してみたけれど「なんでもない」と、教えてはくれなかった。
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ありぃ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます！嬉しい言葉ばかりで感激しております。。。しかももう３回も読んでくださっているだなんて、感謝しても足りないくらいです。いつでもここの黒さんが癒しますので、またいつでも来てくださいね。こちらこそありがとうございました！！ (2021年12月19日 1時) (
レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
るる - めちゃくちゃ好きなお話でした。描写も細やかで、すごくイメージが出来ましたし、黒さんのセリフも絶妙でした。すでに３回読み返して、噛み締めております。素敵な小説を、ありがとうございます！！ (2021年12月18日 22時) (レス) @page33 id: 5db6c5f68c (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - まあさん» 初コメントいただけて感動しております…！ありがとうございます。説明文過ぎるかなぁとか、キュン要素はあるのか？とか自問自答しながら書いておりますが、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。お気遣いもありがとうございます！ (2021年12月11日 16時) (レス) id: 0d9038abf3 (このIDを非表示/違反報告)
まあ - 登場人物がそれぞれ魅力的で人間味があって、いつも楽しく読ませていただいています。毎日更新が楽しみでもあり、ありぃさんの負担になりませんように、と思っています。 (2021年12月11日 9時) (レス) @page27 id: c7a497417a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありぃ | 作成日時：2021年11月24日 23時
